トラピーズはやはりトリオ期に魅力を感じますが、この2ndはグレンの歌唱にまだ硬さを感じますし、ピッチも今の彼からは考えられない程不安定です(並のシンガーから比べれば遥かに巧いですが)
曲も3rd以降の隠し味であるSoul色やスワンプ風味の無いモサッとしたブリティッシュハードで、典型的B級作品になってしまってます。「何を言うかっこいいじゃないか!」と言う方も多いと思いますが、彼らが他のバンドと差別化されたのはHRとそう言った黒人音楽の融合に成功したからで(他には第2期ジェフベックグループなど非常に少ない)それを考えると次作がやはり彼らの代表作であり最高傑作と言えるでしょう。
いかにもなハードロックナンバーと
スティービー・ワンダーを彷彿とさせるソウル
バラードが
混在しててどうにも違和感をぬぐえないのがこのアルバムの欠点だが
そこを除けば楽曲の出来は非常に良い。
グレン・ヒューズの猛り狂う高音ボーカルもいいが
ギターのメル・ギャレーはもっと評価されていい。
グレンよりもいい曲書いてるし
思いっきりシンコペーションを利かせたかっちょいいリフの嵐で
手に汗握る。
最後の「You Are The Music..」は超名曲。
このリフは歴史に残るぞ。
残念ながら大きな商業的成功はおさめられなかったが
このバンドの先進性とソングライティングはもっと評価されてよい。
文句なく★5つ。
そして不運のギタリストという点ではトミー・ボーリンにも
引けを取らないメル・ギャレーに合掌。