ひきこもりテレビっ子の自分もそうだったので読んでいて驚きはなかった。
薄給、暴力、セクハラ、休日なしの長時間奴隷労働。こんなもんだろうな。
単純な引き算でテレビ局社員の高給は、スポンサーかもらった総額から、下請けである制作会社に安く作らせることで、差額をピンはねする。
ゼネコンなんかも同じなのでは。
筆者と自分はとても良く似てるし、テレビの華やかで面白そうな世界に惹かれるのはよく理解できる。
ひどい奴隷のような労働でも、実際に自分が関わった番組が放送されれば充実感は高いだろう。
職業としては毎日が終わらない文化祭状態。
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]といった感じか。
はっきり言えばテレビ業界は「やりがいの搾取」ではないか。
以前何かで読んだ記憶があるのが、
ハリウッドの制作現場も薄給らしい。
華やかな世界に関わることができ、満足度は高い。また著名で高給な映画監督などがいるから「自分も」と夢が見られる部分があるのだろう。
どんなにひどくても、かつての自分、筆者のように憧れて、騙されて入ってくる若者は後を絶たないだろう。
ディレクターに育てるつもりなんて初めからなく、ADの仕事は普通の要領さえあれば半年程度で覚えられ、低賃金で都合良くこき使える労働力となり、せいぜい数年持てばいい。
またファンシーな夢見がちな新しい若者が入ってくるのだから。
筆者は労働環境の改善を訴えているけど、無理じゃないかなあ。
自分がテレビ局の社員だったらいまの給料、特権ぶりを無くしたいとは思わない。
情報の伝達手段として独占できたかつてとは違い、ネット、携帯と視聴者の目、時間の奪い合いをしなければいけなくなってしまった。
総量は同じスポンサーの広告費はそちらにも流れるわけで、制作費の削減は更に続くのは予想できる。
テレビ産業の未来は衰退のフェーズにはいっており、見通しはかなり「暗い」と思う。
となると、末端の制作会社はどうなるのか。うーん・・・