移動平均線の基礎・基本から,トレードで実践応用できるレベルまで,初心者にもわかりやすく,具体的に丁寧に解説されています。
本書ほど移動平均線の本質を掘り下げ,その本質に基づいた戦略を明確に解説した書籍は前例がないと思われます。そのため,中・上級者にとっても,今までの移動平均線に対する意識や認識が一変し,目からウロコが落ちるような,画期的な内容になっています。
具体的には,移動平均線を3本使うことによって,(1)チャート上で利益を取れるトレンド部分が明確に把握できるようになり,(2)
相場の現状と今後について的確に予測できるようになり,(3)中期と長期移動平均線に囲まれた「帯」によって大勢・大局が判断できるようになります。
巻末では「個人トレーダーが勝ち組になるための3つのポイント」として,資金管理,リスク管理,トレードルールの確立とバージョンアップの重要性が説明されています。これらは,トレードに不可欠なのに,従来あまり重視されてこなかった部分で,とても参考になりました。
本書を読んで,小次郎講師の今後の著書が読みたくなりました。続編に大いに期待しています。
テクニカルの項で市場内部要因の事が書かれており、参考になりました。(特にサヤの変動の箇所)
サヤの変動の部分では順ザヤ,逆ザヤ,同ザヤがあり、サヤには4つの型があると言う部分があります。
前途楽観の順ザヤ 前途悲観の逆ザヤ 不況順ザヤ 好況逆ザヤ
順ザヤに買いなし、逆ザヤに売りなし、と言いますが、
前途楽観の順ザヤは期待順ザヤであり、期待が実現しないこともあるからです。
とのべておられます。
てんぐザヤ、おかめザヤ はサヤの変化であり、順ザヤ、逆ザヤの変化というところが興味深かったです。
「てんぐに買いなし、おかめに売りなし」という
相場格言も参考にさせて戴きました。
また、出来高と取組高について
新規売り+転売=新規買い+買戻し 出来高(買い=売りは同数)取組=未決済ポジション
があり、新規買い+転売を算出し売買勢力比を見るという記述も参考になります。
売り長 買い長 では 売り長には買いに歩があり、買い長には売りに歩がある。
というのも一般大衆筋は行動がバラバラであるためだと思われる。
(小口の合計は大口の少数に負けると云うことだろう。)
ファンダメンタルの部分も需給別動向の統計資料がついていて為になる。
また
相場師列伝もコラム記載があり、面白かった。
著者は日本経済新聞の記者であり、当時のインタビュー記事が載っていて興味深い。
この書籍を読んで基礎固めをするべきだと思う。
営業マンに騙されない為にも、まずは知識を持とう!
と思う方はこの書籍を読んで損はないでしょう。!