![]() 島崎警部のアリバイ事件簿 (天城一傑作集 (2)) |
天城一、第二期にあたる作品集。 第一期の短くコンパクトにまとめられた作品群からしばしの沈黙を経て突如掲載され始めた作品群。 それは当時の日本情緒溢れる電車時刻表を縦横無尽に駆けぬける列車アリバイトリックもの。 事件を解決するために時刻表を丹念に調べてこつこつと解決する様は超人探偵には相応しくないのか、 なかなか、作者の電車マニア振りが拝見できて楽しいと共に、近代はこんな情緒溢れる |
![]() 天城一の密室犯罪学教程 |
無駄が無いゆえに難しいという作品が多く、時代性の格差や強引な展開もある為、中級者以上向けの上に人を選びます。しかしそれでも、密室好きの方には絶対に一度は読んで欲しいと思います。
ただ残念なのは分類方法がまだ発展途上であることで、特に「機械密室」の「機械を使ったら機械密室」というような分類方法は強引です。「外から機械トリックで鍵を閉め密室を完成させる」のと「機械の遠隔操作で密室内の人物を殺す」のを同じタイプとして分類すべきではないでしょう。 「機械密室」の作例として挙げた作者自身の作品を見ても、分類的には抜け穴から凶器が入ってきて、そして出ていく(密室からの凶器の消失)という「抜け穴密室」且つ「逆密室(−)」であるはずで、作者もこの辺には混乱があるのでは。 また密室の最高峰「超純密室」を”意識下の密室”と定義したところまでは素晴らしいのですが、それを実際に小説に取り入れると自然と持ち上がる探偵側の問題に対しての、解決方法を提示できていません。 超純密室が”人の意識だけ”を利用したものである以上トリックを使った証拠などどこにも存在するはずはなく、従って推理で説明がつけられたとしても実際に逮捕することなど不可能なはずなのですが、作者自身の作例や後半に収録されているある作品では、強引に解決してしまいます。 もし犯人が「証拠を示せ」と言ったら、その時点で探偵側の完敗だったでしょう。 とは言え以上の不満な点は不出来な読者である僕がよい教程を受けたお蔭で抱くようになったもので、以前なら「へー」と言って終わりだったと思います。 |
偵一馬と天城町子宝六調バンド
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