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海猫 [DVD]
 久しぶりに、良かった頃の日本映画を観たような気がした。何の前情報もなく観てしまったのだが、あっとゆう間に時間が過ぎた。時代背景、人物描写がとても素晴らしかった。何故、男は封建的、世間は差別的、故に女は流されて…近代日本の歴史がわからない人、現代の人(本を読まなくなった世代)には、何とも理解に苦しむかもしれないが…。
 良い映画であった。時代、風景、心情を感じることが出来た。何より、日本人的であった。
良い映画に説明書き(無駄な台詞や無駄なナレーション)は、いらない。
 こんな時代があった。こんな生き方をした人がいた。ただ、それが、人間味である。伝わればいい。
 最近では、めったに観ることの出来ない、日本映画好きのための、映画らしい映画でした。
演技がどうのこうの、時代設定がどうのこうの、辻褄がどうのこうのと言ってる評論家さんたちには楽しめなかったかも知れませんが、キネ旬世代には楽しめると思います。観て損は無し。

 

 

余命 [DVD]
ひどく居心地の悪い思いで見ました。英国で末期医療に携わったことがありますが、欧米人には余りアピールしない映画かなと思いました。送り人とか黄昏れ清兵衛には文化や時代を超えた普遍的な、人として生きる哀しみ、というのがありましたが、この映画には出産、癌という具体的な医療姿勢に関わる問題が中心にあります。出産から死に至るまで末期癌には、緩和医療やケアという周りを巻き込んで面倒を見て貰う時期があることを当然予測していたはずなのに、出産を決めたときにどうして夫や友人を蚊帳の外に押し出してしまったのか。皆を信じていなかったのでしょうか。妻の癌を知った時の夫の悲しみなど考えなかったのでしょうか。夫は大切な時に寄り添えなかったという悔いを終生抱えていきていくでしょうに。医者である主人公の考え方がもう一つ納得いきませんだした。
英国の末期医療に携わる者は患者の自己決定の意思を尊重する事も勿論ですが、the principle of autonomyというのが中心にあって、informed decision making, accountability, team care, truth telling, dignity 等を教え込まれます。日本と欧米の人生に向き合う態度の違いをいまさらながら実感した映画でした。
これは余談になりますが、故中村元博士は日本人は情緒的な考え方をするといわれています(Ways of Thinking of Eastern People). 和辻哲郎博士は気候を、森三樹三郎博士は言語を影響要因として指摘されています。思いがけない文化の違いにふと出会うのははとても興味深いとおもいました。


 

最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
8人の女性作家の恋愛短編小説。
それぞれ内容は簡単なもので、ふらっと公園・喫茶店に入って読み切れるボリューム。
作家が、最後の恋から連想できた物語を、サクサクっと書き上げたと思われます。
というわけで薄味・後味サッパリの作品群です。
逆に心に響くというわけではありませんが(笑)

個人的にお気に入りなのは“春太の毎日”。とってもファンシー。
自分のペットが何考えてんだろー?
なんて想像を巡らせたことのある人にはお薦めです。
この物語では、ちょっとヤキモチ焼きな弟系のかわいい男の子が出てきます。
読み切ったあとには、ペットとじゃれ合いたくなる事この上なし。

 

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