私はクリスチャンではないが、聖書に関する映画は好きであり、少なくとも日本で公開されたイエスを主人公とした映画はほとんど鑑賞した。評価は様々であろうが、この作品は素晴らしいスペクタクル映画と言っても過言ではない。クリスチャンの方がご覧になると違和感を感じるかも知れないし、かなりの演出が加えられているので新約聖書に忠実な作品とは言い難い。 ただ、ドラマとしてはイエスの誕生からゴルゴダの丘での処刑、そして復活までをオリジナルを加えながら描いた作品と言えよう。 この作品で重要な役どころを与えられているのは
ローマの百人隊長ルシアスという架空の人物である。彼は結局、イエスの誕生から最期まで見届けるような役割を果たす。ヘロデ王の命令により彼はベツレヘムにいる生まれたばかりの赤ん坊を皆殺しにする役目を不本意ながら負わされ(なぜ
ローマ人が?)やがて少年に成長したイエスと出会い何かを感じる。 ルシアスはピラト総督の忠実な部下だが 出世しか頭にないピラトには内心では反発。その一方でイエスに畏敬の念を感じるピラトの妻と親しくなる。イエスと引き換えに処刑を免れるバラバは革命家としてドラマの当初から魅力溢れる好漢として描かれる。 もちろん、ルシアスから見ればバラバは取り締まるべき敵ではあるが、何故かルシアスはバラバにも理解を示すような態度が伺える。 また、ルシアスはヘロデ一族に反発する洗礼者ヨハネにも同情的。 印象的なのは処刑を覚悟して開き直っていたバラバをルシアスが鎖から解き放って解放するシーン。バラバは叫ぶ。 (俺もイエスと同じ自由を求めた!) それに答えるルシアス(彼が説く自由は違う。おまえの身代わりに死んでいく人間の姿を見ていけ) 十字架を背負い刑場へ向かうイエスを見て(なぜ俺は救われた)バラバは最後まで理解できない。 聖書を元にした大河ドラマという映画かも知れない。
最近SFCの秀作ソフトだったファンタジー戦略シミュレーション「伝説のオウガバトル」のプレステ移植版を始めたらすっかり熱中してしまったので、自分にとってその原点だったFC「キングオブキングス」も、もう一度プレイしてみたくなった。
どうやら未だに中古価格の高いPS「ナムコアンソロジー2」に収録されている移植版を買うなら、FC互換機とこの古いオリジナルのカセットを入手した方が安いということに気づいたが、プレイ動画を探して観てみたら、少々さびしく感じるドット絵の描写に思い迷って検討中。
「キングオブキングス」は以前「ポケットキング」というゲームボーイ
タイトルとしてリメイクされていたことを知り、プレイしてみようと思ったこともあるが、子供向けの下手なRPG風のビジュアルとストーリーが付けられてしまっており原型とは別のゲームになってしまっていてがっかりした。
調べてみると、「ポケットキング」は一応ゲームボーイの通信or交代プレイによる2P対戦が「キングオブキングス」同様に可能であることは判明したが、やっぱり「キングオブキングス」の無名の王たちによるストイックなシナリオの方が良かったし、正直なところやはりこれは大きなTV画面でやりたかった。
このシンプルなシステムと世界観のままで現在のリアルな映像のゲームにリメイクしてくれたら最高なのだが。
昔と違い武勲をたてても一国の王になれるわけではない社会。
自らが創造したその社会で、なぜか「皇帝」の称号をいただいてしまった
ナポレオン。
栄冠と権力を増すに従い、物事を射抜くような鋭さがなくなってしまったのだろうか?
そんなとある男の人生を壮大なスペクタクルと共に描いている。
18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパにおける地上戦を
キューブリックの「バリー・リンドン」もかくやという風にリアルに描いている。
とても見ごたえのある1本だった。