2012年モデル(以下、旧モデル)も購入しましたが、旧モデルは家族に譲ることにして、自分用に2013年モデルを購入しました。
結論を先に述べさせていただきますと、現在発売されている電子書籍端末としてはおそらく最高のものだと思います。
旧モデルから、何点かの優れた「改良」がありましたが、「改悪」はないと感じます(辞書機能が使いにくくなったこと以外は…)。
旧モデルを持っていない方、また電子書籍端末をまだ持っていない方にとっては、大変に素晴らしい商品だと思います。
特に活字の本(文字だけの本)を読むのには最適だと思います。
マンガを読む場合は、同じキンドルの場合では、Fire HDの方が遥かに読みやすいと思います。
2013年モデルが旧モデルより優れていることは明らかです。
ただ、「2013年モデルは、旧モデルを決定的・圧倒的に上回る性能、利便性を持っているので、絶対に買い替えたほうがいいです」というふうに、私は自信をもって断言することはできません。
新旧モデルの性能、利便性の差をどう感じるかは各個人の主観によって大きく変わると思います。買い替えるか否かをご検討の方は、実際に実物を販売している
店舗でたしかめられた方がいいと思います。
以下、項目ごとに書いてみます。
[
スクリーン]
紙に近い感覚で読める点は、決定的なPaperwhiteの強みだと思います。
タブレットなどと違い、暗いところでも明るいところでも、調整をすることで、よく読めます。
電子インクを使用しているため、大変目に優しく、眼精疲労が起きにくいです。
眼精疲労という点では、タブレットなど他の電子機器での読書と比較して、Paperwhiteが圧倒的に優れています。
それから、私の場合、寝る前にPaperwhiteを利用することが多いですが、Paperwhiteは強い光を発しないので、入眠を妨げません。
タブレットなどの場合は、就寝前に使うと強い光で入眠を妨げる可能性があり、その点で、Paperwhiteは重宝です。
2013年モデルだと
スクリーンがさらに強化されています。
アマゾンによれば、「
スクリーンの白はより白く、文字の黒はより黒く、シャープでくっきり。
フォントは快適に読みやすいよう、ピクセル単位で調整。その美しい
フォントをKindle Paperwhiteの高解像度ディスプレイが鮮やかに再現」するそうです。
たしかに旧モデルとの違いは実感として、ある程度分かります。
具体的には、旧モデルがやや青っぽかった点が改善されています。
また、明るさが増している印象があります。
[デザイン・重さなど]
デザインは、旧モデル同様に、シャープな感じでよいと思います。
重さはわずかに軽くなったようですが、実感として明確に軽くなったとは感じません。
ただ、なるべく軽くしていくというアマゾンの方向性には好感が持てます。
片手で長時間持って読書しても疲れない重さで、大変によいと思います。
また、デザインの上でも、片手で持ちやすいです。
[ページめくりの速さなどに関して]
プロセッサーの性能が25%向上しているため、ページめくりなどの速さが相当に改善されています。
電子インクは、ページめくりの速さに弱点があるそうです。
旧モデルと比較して相当に使用感が変化したと私は感じました。
[
タッチ反応に関して]
タッチ反応が旧モデルよりかなり正確になったことは分かります。
ただ、スマートホンなどを使い慣れた方が初めてPaperwhiteを利用された場合、
タッチ反応に関して、不満を感じられると思います。
[Page Flip機能]
旧モデルと違い、現在読んでいる頁をそのままにして、他のページを見られ、本全体を見渡せる機能です。
私が、今回の新モデルの新機能として、最も満足したポイントでした。
大変に便利なので、今後、多用することになりそうです。
[旧モデルから2013年モデルへの「引っ越し」]
私が不勉強なだけかもしれませんが、ごく簡単な操作ではできないようです。
旧モデルに入れてあったコンテンツを、簡単な操作で、2013年モデルへ全部「引っ越し」できればよいのですが…。
もちろん、2013年モデルへの「引っ越し」ができないわけではありません。
[新機能など]
1、単語帳、学習機能は、利用者にとっては、便利な機能です。お子さんの勉強用には、役に立つと思います。語彙力がアップしますので。ただ、旧モデルにはあった辞書の複数検索機能がなくなっているのはマイナスポイントです。
2、画面下部の黒い影(グレー?)のようなものが、旧モデルにはありました。2013年モデルの場合、私が購入したものに関しては、影は見当たりません。個体差があるのかもしれませんが。
3、容量が旧モデルの2GBから増えて4 GBになっているのはありがたいです。
[コンテンツ]
電子書籍のコンテンツが少ないのが不満です。
たしかに、昨年よりは増えましたが…。
ただ、アメリカのキンドルの発売は2007年ですが、最初の増加は微増だったものの、2010年ごろから急激にコンテンツが増えたそうです。
2007年9万、2009年23万、2010年75万、2012年120万、が具体的数字です。
日本でも、アメリカと同じような過程を辿ってくれることを私は期待しています。
ただ、アメリカと日本では、出版業界の慣行などが相当に違いますから、上手くいくかどうか、不安な面も残ります。
雑誌、新聞、学術書などのコンテンツに関しても是非積極的に導入してほしいものです。
[バッテリー]
アマゾンによれば、最大8週間充電不要となっています。
しかし、これはあくまで、「最大」であって、1日30分程度の利用という前提による数字のようです。
多くの利用者がこの前提よりも多く利用し、8週間はもたないと思います。
ただ、タブレットなどと比較して、バッテリーの減りが非常に少なく、その点は、大変すばらしいと思います。
[そのほかの利点など]
1、文字の大きさを変更できるのは大変便利です。私は旧モデルを70代の家族に譲ったのですが、老眼が進んだ方の場合、文字を大きくできるのは大変な利点だと思います。
2、頁における行間・空白も変更可能なので、それぞれのキンドル本の特徴に合わせて、また、自分の都合に合わせて、読みやすく微調整できるのも利点です。
3、少し面倒ではありますが、実際の紙の本でやるような「しおりをつける」、「蛍光ペンで目印をつける」のと同等の使い方(ハイライト機能など)もできます。
4、カバーを開閉するだけで、端末が起動、スリープができる専用カバーがありますが(高いのが欠点ですが)、旧モデル用に昨年発売されたものが、2013年モデルでも利用可能です。ただ、カバーを使うとかなり重くなります。
5、3G機能をつけるかつけないかに関しては、利用者それぞれの環境に応じてどちらが良いかが異なってくると思います。例えば、外出が多い方は、3G機能が便利だと思います。
6、「同期」の機能を使うと、キンドルとスマホで読んでいる箇所が共有できます。私は、この機能をほとんど利用しませんが、便利な機能として使われるユーザーもいらっしゃると思います。
7、アマゾンを頻繁に利用される方、あるいは今後その予定のある方にとっては、Paperwhiteはいい選択肢だと思います。
8、実験をしたわけではありませんが、触ってみた感じとして、また、1年間旧モデルを使用した感想として、Paperwhiteは頑丈にできているという印象です。
9、現実の紙の書籍ではできない、特定の単語の検索が可能です。
[Wi-Fi接続]
私の場合簡単に接続できました。
しかし、旧モデル発売の際には、簡単には接続できず困った方も一部におられました。
今回初めてPaperwhiteを購入された方でも、すぐに接続できない方もいらっしゃると思います。
ただ、昨年の例では、アマゾン自体に問い合わせるなどすれば、最終的に接続が可能だったようです。
アマゾンのキンドルに関する掲示板で質問をすると、電子機器に詳しく親切な方が手助けをしてくれることもあるようです。
[マンガ・活字の使い分けに関して]
先述しましたが、マンガに関しては、解像度の関係で読みにくい、画面が小さい、容量が限られているため保存できる冊数が極めて限定的、などの理由で、Paperwhiteは、あくまで「活字を読むための電子書籍」という位置づけになると思います。
手塚治虫氏がマンガの文庫化に反対していたように、マンガは大きなサイズで読んだ方がいい、というのは動かしがたい事実で、画面が小さいのはPaperwhiteの弱点だと思います。
ただ、容量が旧モデルの2GBから増えて2013年モデルでは4 GBになっています。
旧モデルの場合、マンガは20冊程度しか保存できなかったので、旧モデルよりはかなり改善したと言えるとは思いますが、マンガをよく読む方にとっては「焼け石に水」かもしれません。
[スピーカーがない点に関して]
スピーカーがないので、例えば、
英語を音で学習するというような使い方ができません。
昔、アメリカで発売された機種にはスピーカー付きのものがあったそうですが…。
ただ、スピーカーをつけると、かなり重くなってしまうと思います。
できれば、スピーカー付きのものも別に売り出してもらった方がユーザーにとって選択肢が増え有益でしょうが、アマゾン側としても端末の商品数を増やすのはビジネス上難しいのだと思います。
[「自炊」に関して]
いわゆる「自炊」で、ご自身の紙の本、書類を電子書籍化したものに関しては、読むことはできるにはできますが、読みにくいようです。
たとえば、「自炊」した
PDFの文字は、拡大できません。
ただ、いろいろな工夫によってうまく利用されている方もいらっしゃるようなので、ネット上などで詳しい裏技的なものを探すことが可能だと思います。
また、
PDFファイルを入れるとすぐに容量がいっぱいになってしまいます。
基本的には、Paperwhiteはアマゾンで販売されている電子書籍を読むための端末なのだと思います。
[その他問題点など]
1、中古の販売(マーケットプレイス)がないのは少し不思議です。何か理由があるのでしょうか。
2、専用カバーや急速充電器などの関連商品がやや価格が高すぎるのは不満です。価格競争がないためでしょうか。
3、指紋は少しつきますが柔らかい布でふけば問題なさそうなので、私の場合は、保護フィルムを購入する予定はありません。保護フィルムの問題は人それぞれだと思います。
4、唯一ついている
電源ボタンが使いにくいのは相変わらずで、専用カバーが解決策となります。
[各種使い方の詳細を知る方法]
書籍としては、現時点では(2013年10月)、私の知る範囲では、2012年12月発売の山口真弘・できるシリーズ編集部『できるAmazon Kindle スタート→活用 完全ガイド』 (できるシリーズ)があります。
あくまで旧モデルの説明しか載っていませんが、Paperwhiteの使い方に関して、ある程度は参考になります。
既知の情報も多いですが…。
ただ、この本は、せっかくのカラーの図解が白黒になってしまうため、また、画面が小さいため、Paperwhiteでは極めて読みにくいです。
紙の書籍で購入することをお勧めいたします。
以上です。
コンテンツがいまだに少ないことを考慮して、星4つにしておきます。
旧モデルと比較した新機能・親性能の評価は、主観的な問題で、いろいろな意見があると思います。
私のレビューは私の主観が強くでたものですし、また、拙いものですので、他の方のレビューもご覧になって、ご購入をご検討ください。
追記
ある出版社による
ステルスマーケティングを指摘したコメントを軽率にも複数投稿してしまったため、今、アマゾンさんにコメント投稿を受け付けてもらえない状態です。
そのため、コメントを頂いてもお返事ができないことをどうかご了承ください。申し訳ございません。