「フジ三太郎」は、1965年4月から1991年9月までサトウ サンペイが朝日新聞に連載した四コマ漫画ですが、その人気から坂本九
主演によりTVドラマ化され、1968年10月10月6日から1969年9月28日まで約1年間に渡り放送されました。
坂本九は、1961年4月から始まった「夢であいましょう」、同年1月からの「明治屋・マイマイショー」で、ダニー飯田とパラダ
イスキングや九重佑三子等と歌ありコントありで一世を風靡し、また、同年4月からの「若い季節」でもコミカルな演技を披露する
等、誰からも愛される人気スターでした。
この絶頂期に、製作されたのが「フジ三太郎」ですが、昭和40年代の京王線通勤
列車、会社、家庭を舞台に繰り広げられる平凡
なサラリーマンの生活が描かれています。
ドラマ中では、アパートの通路で七輪と団扇で秋刀魚を焼いたり、家庭のテーブルには瓶詰めの牛乳があったり、記念写真で登
場するのは二眼レフカメラ、駅の改札では切符切りが、そして、デパート屋上には昭和のシンボルであるアドバルーンが幾つも浮
かんでいて、一昔前のレトロな昭和の風景が拡がっています。
妻ビワ子役の初代は、宮本信子が、また、二代目には三好美智子が演じていますが、宮本信子の何と若々しく初々しいことか。
また、若かりし頃の塩沢ときにも出会えます。この他、十朱久雄、多々良純、田崎潤、武智豊子等、当時の錚々たるベテラン陣が
脇を固めています。
そして、1967年10月から放送されていた「ウルトラセブン」に友里アンヌ隊員役で出演していたひし美ゆり子(菱美百合子)も
このドラマに出演しています。
また、このドラマでは、毎回、当時売出し中の俳優、タレントがゲスト出演していますが、爆発的人気を博していたコント55号、
北あけみ、柳家小さん、左朴全、野際陽子、江美早苗、ジェリー伊藤等、多彩な顔ぶれがたっぷりと楽しめます。
このDVD-BOXでは、絶頂期にあった坂本九の演技と懐かしい昭和の風景がたっぷりと楽しむことが出来ます。
この本で随分と教えられたことがあります。今となっては、こんなこと当たり前じゃないかと思うようなことも、当時はふむふむそういうものかとうなづきながら読み進んだものです。
学生時代には非常識で済まされたんだなぁと赤面しながらも懐かしく思い出します。