我々一般人は朝早く起きて、九時から五時まで仕事し、毎日毎日同じことを繰り返して、そうやってお金をもらって暮らしていかなければならないのです。内面的にはそれほどちゃんとした人間じゃないのに、皺のないピンと張った
スーツを着て、喋りたくも無い仕事場の人間とへらへら喋ってうわべの人間関係を築き上げ、その人間関係に基づいてお金をもらって暮らさなければならないのです。
そんな我々にとって、このDVDに描かれているタカダワタル的な人生はものすごく憧れてしまいます。でも、わかってるんです、どんなに憧れたって、タカダワタル的人生はタカダワタルという才能の上に成り立っているってことは。本当に、身にしみてわかってるんです、タカダワタル的生活の真似事をたった1週間でも続けようものなら、自分の生活なんてぼろぼろになってしまうっていうことは。憧れちゃいけない、羨ましがっちゃいけない、それはわかっているんです!!だけど、だけど、それでも憧れてしまう!!!
「タカダワタル的」、そんな名前の毒にとことんまで付き合って空になるまで飲み干す、そういう決心はきっとできないだろうなぁ…
思い起こせば、高石ともやとザ・ナターシャセブンってバンドに在籍していてマルチプレーヤーぶりを発揮していたのが印象に残っています。「花嫁」のような大ヒット曲の作曲をしていたのも知っていましたが、このアルバムで聴けるようなすばらしい曲を沢山書いていたのでびっくりしました。肉体は滅んでも、生み出された作品群は永遠に不滅です。知らない人は騙されたと思って一度聴いてみてほしい作品です。