著者は「黒い看護婦」達の生い立ちから、殺人事件へ至った背景へと 話を展開させますが、個人的には、このような話は特殊ではなく 「どこにでも起こりえること」と思いました。
というのは、女性が複数でつるむときの行動や心理が、 自分の職場の状況と非常によく似ているからです!(笑) 「女性だらけの職場には就職するな!」とよく言われますが、 それをリアルに描き出した傑作だと思います。
男としては、女性集団(女性一人一人では問題ない)の、 お局を筆頭とする陰湿・残虐な行動には、 興味よりも、ただただ嫌な気分にさせられます。
だから・・・いや、なんでもありません。 (**)
まず、内容がグロい、凄惨な描写がある、ということを恐れて読むのを躊躇されている方は、読んでいただいて問題ないと思います。 そういった描写は極力抑えられているので、そういうのが超苦手な私でも普通に読むことは出来ました。 もちろん、この事件自体が非常にグロいのですが。
内容のレビューは他の方がたくさん書いていただいているので割愛します。
私がこの本を読んで一番感じた、と言うか肝に銘じたのは、 「他人を簡単に信用して余計なことを話さない方がいい」 と言うことです。
生きている上で、現在の職場や家庭に不満を持って人は多いでしょう。 しかし、会ったばかりでロクに素性も分からない人にそのような不満を話してしまうと、それが相手に伝わらないとも限りません。 もしかしたらその人は、あなたからそういった情報を聞き出すのが目的で近づいてきたのかも知れないのです。
事実この犯人は、人当たりの良さを武器に双方に取り入り、お互いの不満を聞き出し、 それをまた双方に伝えることにより疑心暗鬼を生じさせ、最終的には一家を崩壊させています。 一度生じた疑心暗鬼はたちどころに蔓延し、一家全員がこの犯人の操り人形になってしまったのです。
「人の悪口は言わない」 実はこれが一番の自己防衛なのかも知れません。
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