一度目にすると忘れられない絵だと思って、興味をもったフリーダ。
その人生を知るとさらに興味がとまらない・・・。映画も見たけれど、素敵だった〜!
メキシコの「青い家」やフリーダの民族衣装を身にまとった写真(ニコラス・ムライ撮影の)
も掲載されていてその美しいことといったら・・・。思わず見とれてしまいます。
作品も多数掲載されていて、画集には手が出ない私もこれならコレクションしたくなりました。
フリーダの作品は、女性ならでわの感性、思わず目をそむけたくなるような生々しさも彼女の
魅力のひとつであると思います。ずっと大事に持っておきたい一冊です。
研究書ではなく、著者のエッセイ。
そのせいか、折角フリーダの生涯が映画化され、かつての日本での大々的な回顧展以来の日本でのお目見えなのに、プログラムにこの人の一文もないというのは、ちょっとかわいそうな気がする。
実際、本当の研究書(『フリーダ・カーロ 生涯と芸術』=映画原作、『フリーダ・カーロ 痛みの絵筆』)や、あるいはローダ・ジャミの小説(『フリーダ・カーロ 太陽を切りとった画家』)よりも、この『引き裂かれた自画像』でフリーダを知った人の方が多いのではないだろうか。
「研究」でないとしても、一人の女性としてフリーダの足跡をたどる旅について読むのは、決して無駄なことではないと思う。ばっちり知りたいフリーダ大ファ!ンの私としては、一時期「エッセイじ!ゃん」と思ったこともあるが、あらためて映画化などされてみると、個人的な体験であるこの本も、いいのではないかと思う。
『芸術
新潮』フリーダ・カーロ特集も、「参考文献」にこの本を挙げていないのはちと了見が狭くないだろうか。
著者は女性の
美術評論家の草分け的存在というか、非常に女性としては親近感のある語り口の人である。
文庫にもなったことだし、根強い読者はいるのだ。あだやおろそかにすることなかれ。