「はだしのゲン」が愛読書の息子にクリスマスプレゼントとして贈りました。文章も読みやすく、所々にマンガのシーンが織り込まれているので子どもでも一気に読めてしまうと思います。我ながらいいプレゼントをしたと思った翌々日に著者の訃報を知り、大変ショックを受けました。この本は「人生とは何か」ということも教えてくれているように思います。数々の偶然によって命を守られ、生涯にわたって原爆の恐ろしさ、戦争の虚しさを訴え続けてきた著者の生きざまにも深く感銘を覚えました。福島の事故からまだ日も浅く、復興の見通しさえ立っていない中、原子力再稼働容認、核武装など、核の平和利用が不気味にも聞こえてくるようになってきました。過去の過ちや悲惨な体験をいとも簡単に忘れてしまう日本国民全員に、この本を読んでいただきたいと思います。
マンガと文章、やや畑違いとは言え、流石にプロの作家の著した物、その表現力はさすがです。 原爆投下後数日の話は、読んでいて本当に気持ち悪くなりました。いい歳コイて。原爆写真集も、とっくに何冊も見ているのに。 もちろんそれが著者の意図する所で、原爆の恐怖を、原爆を知らない人々に伝える事が、彼のライフワークなのであります。 少年少女にトラウマを植え付けたいそうです(私も小学校の図書室でゲンを読みましたorz)。 原爆のゲの字もイヤだ!って人が増えればなるほど、核兵器は減るかもしれません。
著者の思想はかなり左傾化していますが(本書内でも天皇くたばれ!とか、言っています)、あの惨状を体験したなら、無理は無いな、と・・・・・・。 いや、恐らく、私の想像できる「あの惨状」より、何千何万倍もの地獄だったのでしょうね。広島は。
その半生を原爆と、その負の遺産と向き合って過ごし、死んでいった、お母さん。 本当にお疲れ様でした。 「はだしのゲン」などと言う凄まじい作品を、少年ジャンプと言う雑誌に掲載した、当時の編集部。 よくやりました。原爆のなんたるかをこの世に知らしめました。
はだしのゲンは恐らく今後何百年も読まれ続けていくマンガでしょう。 私の様にゲンを読んでトラウマを背負って大人になった皆さん。 今は右翼か左翼か中道か、はたまたクリスチャンかアーレフか。 立場に関わらず、一度本書を手にとって貰いたいと思います。 私はさしあたって反原発運動からちょっとだけ頑張って行きます・・・
「はだしのゲン」で著者の作品に出会い、「中沢啓治平和マンガシリーズ」全巻を求めたくらいのファンですが、「広島カープ誕生物語」だけは復刻されておらず、ネットで古書を探しても上下巻それぞれ1万5千円もしました。(あきらめて)古書を買うしかないかと考えていた矢先に、著作集の発売、しかも「広島カープ誕生物語」だと知って、ワンクリック購入しました。 内容はボリュームがあるのですが、球団草創期の、広島人の広島球団に対する思いと願いが読み取れます。球団を思うがゆえのめちゃくちゃぶりを、ぜひ笑ってほしいと思います。
はだしのゲンと言う世界中で読まれている漫画の作者だけではなく 自身が被爆体験をされ、非常に辛い人生を送ってこられた方ですね。 原爆体験を話される中沢さんはゲンそのもので とてもエネルギッシュで、悲しく辛い体験をバネに 強く生きてこられた印象でした。 しかし被曝による多くの病、糖尿病や白内障などで 若い時から病気と闘ってこられたことはあまり知られていません。 中沢氏が残したものはあまりにも大きいです。 このドキュメンタリーも今後原爆の怖さと戦争の愚かさを 子孫に伝えるために多くの人に見てもらいたいです。
中沢さんの体験で、日本人の被爆者に対する差別が一番ショックでしたが、 「黒い雨」などで描かれているように、原爆、戦争は人間の心まで破壊するものだと思いました。
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