映画本編は男気溢れる熱い出来映え(やり過ぎとも言う?)であったが、音楽の方も負けじと燃えるスコアとなっている。作曲はロボコップでもヴァーホーベン監督をコンビを組んでいたベージル・ポルデュリス。
映画そのものが「荒唐無稽な暴力映画」であるため、そのスコアも押し出しは強烈。曲目リストに目を通しただけで、それがお分かり頂けるだろう。愛のテーマらしきものもあるが、もちろん本作品の本領はそこではない。
1曲目「連邦放送局マーチ」の軍隊調のスネアドラムに始まって2曲目「巨大昆虫型異星生物」ではブラスの唸りが大爆発。そこで使われるメインテーマは8曲目「ロジャー・ヤング号破壊」や9曲目「ブレインバグ」でも顔を出し、確実に耳に残る。個人的にはコナン・ザ・グレートやロボコップに並ぶポルデュリスのベストワークではないかと思う。
なお、最後の11曲目に収録されている「イントゥ・イット」はボーカル曲で、ポルデュリスの娘が作詞/作曲して自ら歌っているらしい。劇中では、卒業パーティーのシーンに使われていたようだ。
全11曲、総収録時間約36分。
戦争映画なのに、大規模な戦闘シーンが冒頭と最後にしかなく、そのどちらもCGや特撮のデキが悪くてつまらない。そして戦闘シーンがほとんどない中盤をつなぐハズの人間ドラマ、政治劇が始まるのだが、脚本も俳優の演技も今一歩の内容でとても満足できるものではない。
膨大な予算を費やして押し寄せるバグとの大戦争を歩兵視点で描くことに成功した1、低予算ながら(ありがちすぎるネタと展開であるものの)流れるような展開で視聴者を引っ張った2、そのどちらの長所も継承することができなかった模様。(まぁ2は黒歴史扱いだからしかたないけどw)
ただし、この映画はマトモな戦争映画としてみるモノではない。我らが地球連邦の総司令官がノリノリで歌い出す冒頭1分の時点でこの映画が、軍事独裁を嘲笑う為に作られていることは明らかである。
独裁政権下で、自分たちが抑圧されていることにさえ気がつかないIQ低めのバカ兵士が人類至上主義の名の下に宇宙規模で環境破壊する様を見て大笑いする。
1がこういう趣旨のもとに作られた映画だと感じられた人なら今作もそこそこ楽しめるはずだ。
制作者もこの辺をわきまえているらしく、劇中CM、ニュースのクオリティが1の水準を取り戻し、挿入される量も倍増している。このシーンだけで私は満足できた。
逆に、1を純粋な戦闘エンターテイメントとして楽しんだ人は見てはいけない。
今作はいろんな楽しみ方を提供できた初代よりも懐の狭い作品である。3から見るなんてもってのほかだ。
日航機事故を追う新聞記者の話だということで最初は見るのがつらくならないかと思いましたが、
男らしい
堤真一さんの演技に引き込まれていきました。
仕事をがんばっている男の人にお勧めしたい作品です。
同じような心境を経験された方もあるのでは…と思いました。
この作品は単一的な価値観や行動規範、軽薄な正義と常識などに支配されることの危険性を皮肉っている作品です。
映像に関してはB級作品です。 第一作が大作だったので期待してみたら残念だった。
B級が成功し熱狂的なファンが付き、続編やリメイクとなり大作になる作品が80年代以降には多くあった。
この作品は逆だが、その批判精神は健在だった。
総司令官はアメリカのテレビ伝道師をシンボルとしている。
テレビの放送枠を買収し、歌や熱狂的なスピーチや言葉で人を魅了する。
それに洗脳される人々を認知しているアメリカ人々なら直ぐに吹き出し大笑いする部分であろう。
第一作と同様に、地球軍の制服はナチス・
ドイツのナチスの私設軍隊である
SS(ヒトラー親衛隊)のコスチュームを模して軍隊というものを皮肉っている。
70年代までに多くあった第二次世界大戦を舞台にした戦争映画では、ナチスは悪の象徴であった。
勧善懲悪的なストーリーでは、能書きなく一見して分かる悪のシンボルである。
プロパガンダに洗脳されて、戦争を賛美し、正義の名のもとに他人を裁く単細胞な人々。
第一作に比較すれば相当しょんぼりではあるが、国家的な集団ヒステリーの一端を垣間見ることができる。
無宗教な女性艦長が最終的に宗教に目覚めるあたりは、
現実社会でもそうであるように、精神が健康で老練な大人でも何時オカシくなるか分からいない描写として秀逸であった。
陰謀から司令官を救うために立つリコであったが、一見それは戦争アクション映画のストーリーの一つの典型ではあるが、
最後にひっくり返す当たりは心憎い脚本である。
ついに登場となったパワード
スーツは人型兵器でしかなく、
ご都合科学、サイエンス・ファンタジーなスーパー・ウェポンとして登場したのが残念。
原作での機動歩兵の高機動な戦闘服的な扱いを期待して観ると、残念な感じだ。
第一作とも共通している原作と大きく違う点は、無抵抗の一般市民を蹂躙し、仕舞いには背中に背負った中性子爆弾で皆殺しにする残虐な海兵隊員を少し和らげて描いてる点だ。元来バグではね。
ただ、対人戦を直接描くのはショッキングであり知識人なら避けたい部分であるだろうから、製作者の意図は尊重したい。
神の名のもとに行う戦争を最後に皮肉る。
残酷なシーンが多いので、子供と一緒に見るべきでは無い。
2作目は低予算で限定的シチュエーションでの話に絞っていたが、本作は1作目のジョニー・リコが復帰し、制作総指揮にPバーホーベンの名前があるなど、1作目の設定をちゃんと継いだ実質的な続編。
2作目の製作費の5倍の製作費というのが売りだが、もともと低予算だった2作目の5倍なので、超大作だった1作目の派手さにはやはり到底及ばないプロダクション規模である。
2作目と違って派手な地上戦の物量スペクタルもあるが、やはりCGが荒いのは否めない。
1作目の人を喰ったような雰囲気も再現されているが、ストーリーが司令官を救出するという展開に絞ったため、ジョニー・リコの存在感が微妙になってしまっているのと、ラストになるに従って動きのなくなるストーリー構成も相まって、低予算ながら限定空間サスペンスに特化していた2作目の緊張感もなく、1作目のようなスペクタクルもあまりないというシリーズ中最も微妙な出来になってしまっている。
待望のパワード・
スーツももっと最初から活躍させるべきだった。最後の最後での見せ場的扱いだが、CGが荒いこともあって、それほど目を見張るような見せ場になっていない。