![]() 空飛ぶタイヤ DVD-BOX(3枚組) |
「人の生き死に」に関わる自動車業界でこのあり得ない事件が起こりました。
大企業のエゴ、腐敗した組織、麻痺した倫理観。 これは全て本当に起きた話がベースなのです。 私は原作を先に読み、映像を後から見ました。 映像の方も原作に負けない良い出来でした。 暑苦しいほどの熱演の仲村トオルさん、脇の俳優さんたちの抑え目な演技から滲み出るリアリティ。 1話〜5話まで一気に見てしまいました。 職業人の倫理観と正義感を真摯に問う力作でした。 このあり得ない事件が繰り返されることのないように 一人でも多くの、ビジネスマン、就職活動中の大学生の皆さんに観てほしい作品です。 |
![]() 山田誠二の新怪談 憑きまとい/死人の手ざわり [DVD] |
短編ですし、普通の「映画」として評価出来るものではありません。低予算・ビデオ撮りの作品で、その中でどのくらいのことが出来るのか、ということを考えると、「憑きまとい」はなかなかのレベルではないでしょうか。
「死人の手ざわり」は京都の町家を不気味に撮っていて、なかなか雰囲気を出していました。いろんな映像を撮ることができない分、役者の「語り」で話を進めているのですが、その役者のお姉ちゃんたちが素人同然なので、かなりキツイです。オチはたぶん途中で分かってしまうと思います。 「憑きまとい」 10分くらいの短編なのですが、こっちの方が断然気に入りました。これといってストーリーはないのですが、悪夢のような内容で、結構怖いです。雨の京都の竹林という舞台が効果的に使われていました。こっちもオチは何となく分かるんですけど、竹林のそばの坂道という場所に視覚的なインパクトがあって、非常に心に残りました。 |
![]() 光媒の花 |
文芸書として、読むには、とてもきれいな文章です。
それぞれの人の、人生の悲しい場面がたくさんでてきて、 でもそれでも、どこかに救いがあることを、美しく描いています。 でも読者が期待している、道尾秀介としてのブランドとしては? 『龍神の雨』『シャドウ』『ラットマン』『カラスの親指』、みせてくれた 道尾秀介のミステリー作家としての、キレを期待すると・・ でも、文芸作家、道尾秀介として読むのなら、文句なしの山本周五郎受賞作。 いろいろな顔を見せてくれる道尾秀介の天才ぶりも素晴らしいが、 ミステリー作家として、個人的に好きなので・・・・・・・ |
![]() 民王 |
池井戸潤氏の作品に流れる姿勢は、若手の正義が圧倒的な爽やかさで勧善懲悪することにある。何と言ってもその代表作は、「オレたちバブル入行組」、「オレたち花のバブル組」、「シャイロックの子供たち」だ。その後に社会派作品が出てきて、最近では「鉄の骨」であった。ところが本著には正直言って「これは何だ!?」と流石に驚いた。米CIAから最先端技術が盗み出され、そのお蔭で与党・民政党党首で首相の「武藤泰山」と、その息子で京成大の学生の「武藤翔」が入れ替わってドタバタとなる。首相は「翔」だから、国会答弁や衆院予算委員会でのやり取りは凄い。答弁はメモを読むだけだが漢字が読めない。「惹起ワカオキ」、「派遣ハヤリ」、「回避カイサケ」「有無ユウム」となる。勿論「未曾有」は「ミゾウユウ」と読む。アキバ系でアニメやマンガは世界に誇る日本の文化と強調する。一方で、息子は就職活動の真っ最中であったから、代りの「泰山」が各企業を回る。東京第一銀行では「貸し渋り」、アグリシステムでは「外国産農薬まみれ野菜」、日ノ出製薬では「薬品の許認可で政府と癒着」と、政治議論を面接担当者としてしまう。最近の民政党政権では世襲の安西、田辺、そして武藤と短命首相が続いており、斯様に馬鹿馬鹿しい程に笑ってしまうのだが、本書の中の随所に政治、社会、政財官の問題に、矛盾や蛮行や愚行を皮肉っぽく指摘し、親子で正義の味方振りを発揮する。池井戸氏流の精神がドタバタ本書でもきちんと現れている。勧善懲悪は警視庁公安第一課の新田警視が素晴らしい。京成大学の現代政治学教授は小中寿太郎という、パイプをくわえ、ふんぞり返った大阪弁の評論家だが、その講義の無茶苦茶発言も面白い。そしてこの首相親子は最後はきちんと締め括るので、読後感はそう悪くない。 |
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