レビューを書く方々は最初から熱心なファンの方が多いと思いますが、私はこの本を読むまでに、バンドは知ってましたが曲も聴いたことがなく、雑誌なんかで目にするくらいでした。文体はまんま「ライ麦畑で・・・」ですが(村上さんの訳ではなく)、それに負けないくらいの脇を固めるキャラ宝庫です。日々の中で出会う人たちが、こんなに身近に感じられ、一緒に泣き笑いできる本もなかなかないと思いますよ。そういう表現ができるのは、やっぱり何かを生み出す仕事をしてる人だからなんだなー、と勝手に納得しました。個人的にお薦めなのが、今日のおやすみBGMです。どれもその日記とシンクロしてて、行間を読むじゃないけど、空気感が伝わり易くて、より楽しめます。あと、罰ゲーム。あれはずるいです。面白すぎて。
新語やブームのパイオニアの彼。
流石はこちらの
タイトルも深くてセンスあります。
現在の彼の多岐に渡る才能や発想の豊かさが納得出来る青春群像です。
若いって、青春って素晴らしいと思える作品です。
ユーモアのエッセンスが随所に散りばめられていて笑いが絶えません。
そしてティーンならではの切なさも感じられます。
時代を映す小道具やエピソードが登場してくるので、
彼と同世代の方ならノスタルジーを感じると共にご自身の青春時代に思いを馳せることでしょう。
そうで無い方でも夢のある古き良き時代を感じると思います。
そして時代が変わろうとも男子脳内はさほど変わってないと感じました。
キャスト陣もかなり豪華。皆さん味があって好演されています。
ミュージシャンを多数起用しているのもなかなか観られないと思います。
主役純役の渡辺大知は初々しさがあり非常に役にマッチしてました。
オリーブ役の臼田あさ美さんも色っぽいし、黒い陰り事件を筆頭に果敢にチャレンジ。
宮崎あおいと言えば「篤姫」のイメージでしたが、これを観て彼女の演技の幅の広さに感動。怒ったり泣いたり、嬉しかったりムカついたり・・・喜怒哀楽激しいところから何とも言えない微妙な感情まで、仕草、表情、話し方、こんなに演技のバリエーションある人なんだ!と物凄く発見でした。すっごいハジけてるんだけど、全部かわいいんです。彼女の演技を観てるだけで充分に楽しい1本。
バンドのメンバーも個性的で面白い。
佐藤浩市が「カッコ良さ」を完全封印して、見事に汚いオッサンになり切り、
宮崎あおいにあんな事してこんな事言って、飲んだくれて下ネタばっかり言ってグタグタしてます。
佐藤浩市も幅広いね。
アホなバンドのメンバーを、「ああっ、もうっ」と世話を焼くハメになる
宮崎あおい、という図式が観ていて飽きない。
ストーリーは、本気で音楽を愛してる人なら「わかるなぁ」という場面がチラホラあるのではないでしょうか。特に、「今流行ってる無味無臭のチャラい音楽を聴いてて楽しいのか?」というメッセージが痛快。バンドがどうやって売り出されたり、解散したりするのかというところも、あぁ、わかるなぁ・・・という感じ。クドカンって音楽好きなんだね。
僕は銀杏BOYZの大ファンだ。彼らの曲を聴くと、とんでもない衝動にかられ、なんともいえなくなる。でも、僕は彼らのことなどまったく知らない。彼らの生ライブなんか観たことない。彼らの考えていること、動く姿、吸ってる空気、何にも知らない。
そんな僕はこの映像作品を観ることで彼らのことを少しだけ知ることができ、一歩彼らに近づけた。
人によっては顔を背けたくなるシーン、腹立っちゃうシーンもあると思う。長ぇーと感じることもあると思う。
でも、ファンである僕はそんなことはまったく感じなかった。あっという間に見終わった。
どんな人でも、見れば、必ず何かを感じることが出来ると思う。
だから、見よう。