チャーチルはルーズヴェルトに「第二次大戦は
ドイツが裏をかいくぐって軍備を増強していたのを見逃さなければ防止することが容易だった無益な戦争」と語ったが、現在、アメリカは海軍力を中心とした中国の軍拡を見過ごしたという反省にたって、2020年までに艦艇の6割をアジア太平洋地域に集中させるとともに、160ヵ国が批准していた国連海洋法条約にも参加することを目指している、と。いまのところ、共和党の反対で条約を批准するところまでいってはいないと思いますが、こうした国際的な法の支配の力も借りて、中国が太平洋へと進出する際にも苦言を呈することができるようにする、というのが狙いだろう、と。
アメリカと日本は「国の安全保障を守るために」「我々の大義は正当」であり、軍事行動は相手国に「平和をもたらす」ものだから、異議をとなえるものは「愛国心が欠落している」とみなされるという共通の傾向も持っているというのも鋭い指摘。真珠湾も愚かな攻撃だったが、イラク戦争なども不合理な決定だった、と。
しかし、かつて日米が激突したアジア太平洋地域という場所と、単独行動をとりがちなアメリカという国家それ自体が、中国にある種の行動をとらせる環境となりうる。この場合、日本は中国の行動を促している国家としての感情を想像できないと死活的な問題になる、というあたりは怖い指摘。
海洋法の問題はエズラ・f・ヴォーゲルさんも、もはや単独行動が難しくなったアメリカは、国際的な法の支配を強化するため、長い間、署名してこなかった国連海洋法条約の批准に向けて動き出している、としていますが、アメリカの中国に対する動きの背景の一端を覗かせてもらったような気がします。
ヒット・シングルをセールス順に上位10曲(なのでもちろん、「愛のメモリー」からスタート。「私の歌」と「真夜中のエレベーター」は、同じシングルのA面B面)と、各種タイアップのついた楽曲から年代順に10曲、で全20曲、CD1枚にびっしり。思う存分、しげる―愛をこめて、敬称略―の甘く、時にワイルドな歌声に酔いしれることができる、ビクター時代のベスト盤である。
前半が売り上げ順、後半が年代順という構成ながら、意外にも流れはスムーズで、メリハリがきいており、聴いていて楽しい。
不滅の名曲「愛のメモリー」も当然いいけれど、それ以外の楽曲の中にも、自分なりのお気に入りを見つけ、また再発見することができる喜びがある。
リアルタイムでは小6の頃だった「私の歌」を聴くと、まるで子供の頃のような素直な気持ちがよみがえってくるし、しげる自身がコブラの声を演じたアニメ映画『コブラ』主題歌「Daydream Romance」も懐かしく胸に響く。少し肩の力を抜いたような、筒美京平さんらしい大人のディスコ・サウンド「銀河特急」、井上大輔さんならではのロケンロール「JAKA JAKA」あたりには、いま聴いて「おっ……!」と感じさせるカッコよさがあった。実写版映画『
火の鳥』の同名主題歌のスケールの大きさ、ライオンズの優勝セールの時などに大音量で流れている「地平を駈ける獅子を見た」での、しげるの伸びやかなハイトーンボイスも、ハートをわしづかみだ(「夕陽の歌」が入っていたら、もっとよかった。「私の歌」に似ているが、これはこれでいいのだ)。
聴けば聴くほど、しげるに限らず、布施明、前川清、尾崎紀世彦(敬称略。名前はブレイク順。キーヨこと、尾崎さんの冥福を祈ります)………と、日本はもっとこういった、歌のうまい人たちのことを大切にすべきなんじゃないか、という思いがこみ上げてくるのだった。
濱口英樹さんによる、
コンパクトでわかりやすく詳細な解説つき。楽曲ごとに初出発売データ、オリコン最高位、タイアップの詳細もわかるようになっている。
ちなみに、
ジャケット写真はビクター時代ではなく、最近のしげるである。
赤いシリーズでヒットを飛ばした大映テレビが、79年に放ったズッコケ刑事ドラマ。
バディものだが、両者が冴えない三枚目の刑事という点が面白い。
どちらも憎めないキャラで感情移入が出来た。
貧弱ぶりを指摘されると、スー
パーマン並みの強さになるトミー。
熱血漢だがやることすべて空回りなマツ。
人情ドラマを交え事件を解決していく2人の活躍に胸が熱くなった。
笑って、泣ける名作刑事ドラマの決定版です!