普通、ベスト盤ってレコード会社の儲けとかあって、簡素にしてるパターンが多い中、 これは全く違います。 日本独自企画の、随所にワーナーの本気が伺えます。 まず、ライヒ本人による選曲! ライヒ自身が日本のファンのために選曲したっていうのに、本気が見えますね。 それにぶ厚い解説書! おのおのの曲の解説はもちろん、 おもしろいのは12センチの解説書を半分にわけ、 片方は初めてライヒの音楽にふれる方用、 もう片方はどっぷりライヒの音楽にすでにふれてる方用と ものすごい読み応えのある内容です。 もちろんライヒのバイオグラフィーも掲載。 その内容、表紙を合わせ30ページ!!! ものすごく本気です、このベスト盤! 内容は、ライヒ自身が選曲したのですから、満足しない訳が無いと思いますよ!
ディスクというものの限界だから、これはもう致し方ないことなのですが…
ライヴで体感した、音の「モアレ効果」、音の波が身体を突き抜けてゆく、ちょっとギョっとするアノ感覚が味わえないのが、とても残念。
まだまだアフリカン・ドラムの影響色濃いライヒ初期の作風で書かれている《18ミュージシャンズ》は、聴覚だけの印象と違って、実はスポーティヴな作品でもあります。18人のプレイヤーがステージ上で待機するベンチから楽器や持ち場="ポジション"に散っていって"プレー"しては、またベンチに引き上げてくる…18人=9人+9人で、その光景は、正岡子規的なポエジーという意味で何とも「野球的」なのです。演奏後、楽屋でNYヤンキースのキャップを被って談笑しているライヒ・アンサンブルの面々を見て、ますますその感を強くしたものです。
|