1982年9月2-6日ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ録音されたCDと同一ソースと思われる。当初はレーザー・ディスクで発売されていたもののDVD化作品。
1983年のブラームス生誕150年を記念してのバーンスタイン+VPOのブラームス・チクルスの一環として録音された作品。メインは作品102の二重協奏曲の方だろう。クレーメルとマイスキーという名手の組み合わせにバーンスタイン+VPOだから役者は揃っているのだがどうもしっくりこない。これはクレーメルとマイスキーとバーンスタインの音楽の間というか音質がはっきり言ってあわないことが原因だと思う。
静かで美しい
チェロを弾くマイスキーにはマイスキーの間があり、時に神経を逆撫でるまでに挑戦的なクレーメルにはクレーメルの間がある。そして二人は競演も多く、アルゲリッチも含めて大変仲が良いのも知っているが、あわないと思う。そしてバーンスタインが前に出すぎだ。この曲の主役はやはりクレーメルとマイスキーであるべきだろう。
本当はクレーメルとデュ・プレでこの曲をやったら凄かっただろうな、と思う。かなわぬ夢ではあるが、だ。ただこうやって映像で残るのは素晴らしい。
演奏を聴いて王道的な演奏だと感じる。感動とかじゃなくて、何か説明出来ない何かを演奏から感じる。ライヴの咳や物音が憎らしく感じた。クラシックコンサートでのマナーが厳しいのが分かった様な気がした。ロックの様に鼓膜に響く様な演奏じゃないからね。