故郷
ポーランドを後にし、幸せを求めアメリカへの移民を決意した姉妹の物語。
しかし、渡航中に病を患った妹はほぼ登場せず、姉エヴァ(マリオン・コティアール)の波瀾万丈の運命が描かれています。
そんなエヴァも身元引受人の叔父の不着で強制送還寸前に。
そこに現れたのが、物腰は柔らかいが、何か魂胆を秘めていそうな正体不明のブルーノ(ホアキン・フェニックス)。彼に救われ一転、エヴァは
ニューヨークへ。
しかし、混沌としたスラム街で予期せぬ選択を迫られ、身も心も擦り減らしながらも時代の荒波に立ち向かい、幸せを必死に追い求める...
だいたいは「↑こんな話」です。
主演は出ずっぱりのマリオン・コティアールですが、見終えた印象としては「ホアキン・フェニックスの映画」だったなぁ...と感じでしまうくらい、彼は「もうけ役」でした。
逃げ場のないエヴァを甘く優しい言葉で奈落に突き落とす悪魔的態度を見せる半面、エヴァに対する純な愛情を不器用に表現し、時に衝動的に、はたまたすがるように接っし、実のところ「どういう人間なんだ?」と、最後まで観客を翻弄してくれるので、「安定した生活を妹と一緒に手に入れたい」と目的がハッキリしているエヴァに比べ、ブルーノの複雑な内面は面白く、ついつい目が行ってしまいますから。
また、少し童顔で優男な容姿のジェレミー・レナーもコレと決めたら退かない強引さと強行さを押し通し、「親切そうな人」では片付けられない(役柄的な)性格を見せ、それなりの好演です。
なので女優主演の作品だけど、男優陣のキャラクターの方が個性的で楽しめたなぁ...と。