あの
小西真奈美さんが歌手デビューということで絶対に買います!
でも映画の主題歌というわけだから2ndシングルは出るのか分かりませんね
でもこれからもいろいろな活動をしてほしいです!!
日本のハードボイルド小説界で熱烈なファンを持つ志水辰夫。でも、個人的には相性は今ひとつで、代表作「裂けて海峡」は、読んだもののまるで記憶に残らず、今原作も、92年の初版当時にハードカバーで購入し読み出したものの、確か途中で投げ出したきりだ。
だから、映画も、“シミタツ節”がどう映像化されるのか、と言うより、阪本順治、丸山昇一、仙元誠三の黄金トリオに、黒澤満率いるセントラル・アーツの新作だから、観たいと思った。
男は
京都篠山の塾講師。2年前に上京した教え子に、祖母危篤の知らせを伝えるべく東京に出向くが、彼女は既に学校を辞め、行方をくらましていた。彼女を追ううちにたどり着いたのは、自らの痛切な過去、そして、決して忘れる事の出来ない女性だった、、、。
原作は「このミステリーがすごい」でベストワンに輝いているだけに、映画ももちろんサスペンスの要素はある。特に、多くの人々が紡ぎ合っていく序盤のミステリー・
タッチは快調だ。セントラル・アーツ製作だから、ハードなアクションもある。
でも、全編に漂っているのは、人生の苦み。中盤になって徐々に明かされる男の辛苦な思いと、再び燃え上がる、と言うか、失ってしまっていた、終わってしまっていたと思い込んでいたものを、取り返そうともがき格闘するセンチメンタリズムとリリシズムだ。
窪塚洋介のキャラ造形は明らかに丸山昇一のオリジナルだと確信するが、
仲村トオルのラストの男泣きの名セリフも、果たして丸山のオリジナルなのか、ちょっと気になる。
それにしても、女性の部屋に12年ぶりに招きいれられてからの男女の、多くは語らない抑えたしかし剥き出しの感情の応酬と絡みは、見応えがあった。
メイキングで、
小西真奈美が、「脚本のセリフひとつひとつが、読んでみるより、実際撮っていて、とても奥が深い。何か凄く良いモノが出来ているとの予感を感じながら演じた」と語っていたが、正に、観ていてそんな印象を持ったし、本当に良いモノを観させて頂いたと思う。
“シミタツ節”に酔わされた。その良さが分からなかったのは、自分が当時若輩者だったからだ。原作にも、是非もう一度、チャレンジしてみたい。
(追記)とは言え、本編では、女性の日常で気になる点がふたつあった。
ひとつは、女性の携
帯電話に頻繁に掛ってきた電話。恐らく彼女の事が好きな常連客からなのだろうが、思わせぶりだったが、本筋とは関係なく、あそこまで、しつこく描写する必要があったのか。
もうひとつは、クラブのママをやりながら、昼間はインテリア・コーディネーターのような仕事もしているとの設定。飲み屋のママたちはよく知っているが、あれだけ毎日仕事に出てのハードワークは、やはりリ
アリティがないのではと。