「ヒツジの絵を描いて」
そんな王子様のリクエストにあなたならどう応えるだろう。
動物園や図鑑から抜き取ったヒツジの似姿なんてあまりに退屈。
ついに彼を満足させたのは一枚の箱の絵。
見える? 見えない?
それがいい。
小説家でありながらにして同時にパイロット、空に消えたサン=テグジュペリの、
あまりにはかないこのことば。
"C'est le temps que tu as perdu pour ta rose qui fait ta rose si importante."
"Je suis responsable de ma rose."
著作権の失効に伴って、ここ数年、書店をめぐれば、百花繚乱の『
星の王子さま』。
翻訳を読み比べてみるのも面白かろう。しかし、王子の孤独を表現するに、
この
フランス人の淡くはかない肉声に勝るものはない。
大人になると見えなくなってしまうもの、大人になってはじめて見えてくるもの。
分量で言えば薄くそして手軽、ただし、その中身たるや、あまりに重い。
最近近くの
店舗で買えないので、こちらで購入できて助かっています。