遂に、噂のみのカルト作品を観ました。その感想は、先ず結論からいうと『噂に聞くほど悪くない!』でした。
確かに、チャチなセット、無茶なメーキャップ、原作の設定改変、原作のSFマインドが無い、変な科学説明、ナレーター担当者名がクレジットされていない等ツッコミ所が色々ありますが(笑)、その代わり情熱に共感しました。
最大のポイントは脚本です。
原作の設定の改変は、反体制的なモチーフを提示したものです。
原作は新しい宇宙時代をリードする人材をテストするという極めてSFらしい設定ですが、ドラマ版の視点では、上からものを見て人を品定めしていると映ったのでしょう。だから11人目の設定は変えられたのです(と思いました)。
そして露骨に、原作の描いたものを否定し、夢、愛、友情、信頼の大切さをてらい無く訴えています。
リ
アリティを切り捨てた?演出は、よく言えば(笑)小劇団の舞台演劇を観る様な雰囲気があります。
メッセージのストレートさとチャチなセットはNHK少ドラSF共通のもの、そこにどんな魅力があったかは、ファンならご存知でしょう。そういう点から、稚拙であってもそこに作り手の情熱だけは伝わってくると思います。
※さらに見所は、主演の山城はるかの
スーツが彼女のボディラインをくっきり現していてびっくり(失礼しました・・・)。
フランスの歴史は、マリーアントワネットくらいの知識しかなかったですし、主人公の母のカトリーヌ・ド・メディチ…くらいしか、聞き覚えのある名前がない状態の私でも、わくわくする物語の幕あきでした。歴史好きの方、萩尾望都ファンの方、ぜひぜひご一読を。(人物があまりに多く出てくるし、アンリという名の少年が3人も出てきて、最初はくらくらするかもしれませんが、大丈夫です!)