トムハンクス主演でヒットした映画の原作。私は、映画をみてからこの本をよんだのですが、はじめは難解な用語の連発にうちのめされました。でも、はまっていくとこれが意外におもしろい。最後はどうなるかわかっていても、ドキドキするし、古き良きアメリカの家庭や、
NASAの真相など、ノンフィクションならではストーリー展開をみせてくれる。映画をみる前によむと、小説の内容よりも省略してあるのがわかるので、できるなら映画をみたあとに小説をよむのがオススメです。
映画「アポロ13」の内容や作品としての価値などは、このレビューページでもすでにいろいろな方が言及されているので、代わりに「10周年記念特別版」がどういうものなのか、そこに焦点を当て報告させていただく。
今回の特別版はDVD2枚組である。Disc1には、映画本編に加え、ロン・ハワード監督による解説、および、アポロ13号の船長でもあった原作者ジム・ラベル夫妻による解説が収録されている。解説2編には、映画の映像とインタビュー映像、映画撮影時の様子、そしてミッション当時の映像などが織り交ぜられていた。これで、映画と実話との違いや映画撮影の舞台裏などを知ることができ、映画を別な観点から二度三度と楽しめるようになっている。
Disc2には、特典映像として「アポロ13奇跡の生還物語」および「宇宙飛行士たちのアポロ13」、「月と遥か宇宙への挑戦」というドキュメンタリーが収録されている。この映画の出演者や制作者の話、「アポロ13号」の事故に実際に関係した人たちの話、さらに、アポロ計画だけでなく、1960年代から2004年時点(?)までの米国の宇宙政策の歴史を知ることができる。
今回の「特別版」は上記のような構成となっているのだが、私は「通常版」を知らないので、比較して論ずることはできない。ただ、私にとっては、「アポロ13」の映画本編だけでなく、特典メニューから新たな知見を得ることができ、通常版より割高ではあるが充分楽しめた。
私はこの本も読みましたし、映画も見ましたが、この作品に関しては、本も映画も同じくらいよかったです。映画での畳み掛けるようなスリルの連続は、同様に本でも味わえます。まさに「やめられない」本です。ストーリーは分っているのに、結末もわかっているのに、でもでも、筆者の巧みな言葉の操作に引き込まれてしまう・・・。これは翻訳ではなく原書で読んで頂きたいです!ぜひぜひ!