Esteban Sanchez (1934-1978): 2009年ニューイヤーコンサートの指揮をつとめたDaniel Barenboim が、彼の録音を見いだして,”How is this possible? How can Spain have hidden away a performer of such class?”といったとのこと。また、バレンボイムデビュー50周年記念コンサートのメイン・プログラムが、イベリアの第1&2集でした。
ギター曲でなじみのあるアストゥリアスが,ピアノ曲の編曲であることを最近になって知り,興味を持って購入したのがこのアルバムです。ピアノ曲では,ぎょっとするような不協和音のような響きですが,聞き比べる楽しみが有ります。
イベリア全曲を含んだCD3枚でこの値段です。
CD1: IBERIA, Book 1&2; Piano sonata No.5; Pavana-capricho; Tango in A minor; Torre bermeja
CD2: IBERIA, Book 3&4; Recuerdos de viaje
CD3: ESPANA, Seis hojas de album (Preludio,Tango, Malaguena, Serenata, Capricho catalan, Zortzico);
SUITE ESPANOLA (Asturias, Cordoba, Cadiz, Castilla, Cuba, Mallorca, Sevilla); La vega
なお全音楽譜出版社 アルベニス
スペイン組曲[作品47]/ナヴァーラ[遺作]の全曲を網羅しているが、DECCAから出ている,Albeniz IBERIA Navarra・Suite espanola ALICIA de LARROCHAです。
知っている人たちには当然の事実、でも知らない人には驚き(自分は後者です)の、キューバのカストロと
ノーベル賞作家ガルシア・マルケスの友情についての本。
マルケスは好きな作家で、邦訳の出ているものは結構読んでいるのですが、彼が何の政治的な肩書きも持っていないのに様々な局面で大きな政治力を発揮した事実は、自分にとっては新鮮で面白かったです。
しかし本書は、一般向けに面白く読みやすく書いてある本ではありません。著者の二人は研究者です。
内容は、雑誌のインタビュー記事とか当事者による証言など、明らかな事実しか書いておらず、憶測とか推測といった類の記述はほとんど見受けられません。
従って、読み進むにつれ当然出てくる疑問、なぜ二人はそれほどまでに強い絆で結ばれたのか、とか、そもそもなぜマルケスはこれほどまでに権力に惹かれるのか、など、大胆に突っ込んだ考察が必要な疑問に対する答えはありません。
個人的には、英文直訳調の訳文が時々とても読みにくかったので、星ひとつマイナス。
「彼の仕事に関連するすべてのことの周辺」とか(引用はたまたま開いたページです)、元の英文が透けて見える印象なのですが、何か・・もうちょっと読みやすくして欲しかったです。