まず何より驚いたのは、3DCGアニメ制作が盛んでない日本が、
このようなクオリティの映画を作れたというという事でした。
優しくカラフルな色彩で細かに作り込まれた舞台、
そこで生き生きと動く、華がありかつ愛くるしいキャラクター達。
画面のボリュームは充分にリッチです。
リアルとデフォルメのバランスを、とても神経細やかに決めている印象を持ちました。
ストーリーは浜田廣介の名作「泣いた赤おに」をベースとしており、
この骨太な基礎の上に乗せられた、アレンジや肉付けされたエピソードの数々が一体化して、
ゆたかな膨らみを持った脚本になっています。
そんな物語を、"生きている人形"劇で見ているようで、
作り物を本物だと信じていた子供の頃に感じた純なワクワク感がよみがえり、
ほのぼのと懐かしい気持ちにもさせられました。
実際、一部ミニチュアを使用しての撮影が行われているそうです。
DWA、Disney、PIXARの3DCGアニメ作品は殆ど鑑賞していますが、
この『もののけ島のナキ』はそれらと比べて、
総合的にはけして大幅に引けをとるものではないと感じました。
後発な分、他国の制作ノウハウを参考に出来た面も多々あるでしょう。
でもこのクオリティは、なにより制作陣の方々の相当な努力あってのもの。
少ないリソースで頑張るしかないとはいえ、
エンドクレジットに流れる
スタッフの数がびっくりする程少ないです。
繰り返しになりますが、日本の3DCGアニメ制作が盛んでなかった事を考えると、
この出来は驚きです。
日本が持つアニメ作りのセンス・お家芸とも言えるかわいく魅力的なキャラクター造形・
そこに深みと暖かみのある童話が巧く組み合わせられて、
絶妙に「日本らしく、かつ普遍的」な作品となっています。
これからの国産3DCGアニメ制作はこの方向で進めて欲しいと感じました。
3DCGアニメはどの国の制作作品にしろ、
画面のクオリティの追求はそろそろてっぺんが見えてきそうな今、
なによりも脚本が勝敗の分け目となるジャンルだと思います。
ちょうど良いものがあるのでしたら、
童話や昔話からベースを取り続けるのもいいかと…。
1本の映画脚本としては耐えられなくても、
オムニバス形式などなら映えるお話は沢山あるかな〜と。
日本人ならおなじみの物語を、このような3DCGアニメで再現する事には、
浅く広くなニーズがある気がします。
もちろん失敗は許されなかったのでしょうが、
なんだか初手でしっかり正解を出してしまったと言えそうな作品です。
まるで予想していなかった、SMAP慎吾君と山Pのコラボ♪良い意味で期待を裏切るくらいの、想像以上の出来上がりに満足しています(*^^*) 不思議なことに、慎吾君ファンには慎吾君の声が、山Pファンには山Pの声が、より、良く聴こえるようです♪まさにMONSTERなユニット!!今後ももっともっと暴れて欲しいかも(^^)d