この作品以来のとみ新蔵ファンです。絵柄は標準的な時代劇ですが、武道におけるウンチク、解説が非常に面白い作品です。SFで士郎正宗みたいなノリが好きなのですが、それに通じるものがあります。
時代劇はとかく解説なしで描かれるので、背景や描画の端々を完全に理解して楽しむには相応の予備知識が必要ですが、そういうものの一部がこの作品で氷解しました。
そういう理屈ぽいところは、これまでみた時代劇画と一線を画していると思います。
以前から気になっていたが、kindle版が出たので購入。
薩摩の御留流として名を馳せた示現流の興隆を描き切った筆致もさることながら
知られざる薩摩武士の生態(?)に迫った点からも非常に面白い作品でした。
『えのころ飯』や『肝練り』、『二才組』など、他所ではお目にかかれない
薩摩
隼人のおそるべき鍛練方法の数々に度肝を抜かれました。
剣術に興味が無い方も、これらのキーワードに心を惹かれたらぜひ読むべき名作。