遺言書に謎の相続人を指名して自殺した大金持ち。その相続人を求めて、わずかな手がかりをもとに南米の奥地を命がけで探す主人公。この作品の前半は、テンポも速くスリル満点の冒険小説と言える。ところが、途中から中だるみで話がだれてしまい、最後はまるで締め切りに追われるかのように、唐突とも思われる結末にもっていってしまう。前半に大きな山場があるのに、後半にはそれに匹敵する部分がなく、物足りなさが残る。Grishamの前々作Partnerも、前半が面白い割に、後半が退屈で、最後は唐突な終わり方をするという点で一致している。FirmやPelican Briefのように最初から最後まで読者を楽しませてくれる作品はもうGrishamには書けないのだろうか。
英語は平易で大変読みやすく、速読の練習にはもってこいだが。
遺産の金額があまりに多すぎて非現実的だったが、最初はとにかくおもしろい。子供たちを除いては。アマゾンの描写は自己体験のエコツーリストからきているのでしょうか?私には理解できませんでしたが、中年版自分探しの旅っぽくてちょっと残念でした。