評価は
タイトルの通りです。
アイテムを使ってARisに何かを「させる」のがメインの遊び方ですが、
何もせずに放って置いてもARisはいろいろと動いたりしゃべったり。
そういったアクションを眺めているだけでも面白い。
ソフトウェア(CD/DVD)が商品に添付されず、
ネットからのDL提供である点に不満を述べている方もいますが、
逆に言えば今後のアップデートが容易であるとも言えます。
これからいろいろな動作パターンが増える事を期待します。
さて、今後購入を検討されている方にハード面についてアドバイスを。
・ARisは3D表示ですが、Direct3Dの機能はほとんど使っていません。
ほぼCPUパワーで描画しています。従って高性能な3Dグラボは不要。
・ARisのアニメーションレートはWebカメラに依存。
現在販売されているWebカメラの多くは640x480で30FPS。
どうしても若干カク付き気味になります。
また、ARisの画面表示は640x480かフル
スクリーンの2択ですが、
フル
スクリーンは640x480の拡大表示なので画像は荒くなります。
なので、用意するWebカメラは640x480で30FPS出る物ならば
ベーシックなものでokです。高価・高性能なカメラを使っても
30FPS以上のレートが無ければARisにはあまり意味がありません。
・CPUパワーですが、どんなに高速なCPUを使っても100%になります。
これは、Webカメラのフレームレート(30fps)と同期を取る為に
割込み待ちを多用している為だと思われます。
速いCPUを使うに越した事は無いですが、高性能だから負荷率が下がるとか、
ARisがスムーズに動くなどといった要素はありません。
誰に見せるためでもない、あくまで自分の内側からの必然性に迫られて吹き出した『もの』。
そのパワーはすさまじく、異形で、どこか後ろめたいものだった。
それは紛れもなく人間の『負』の部分から吹き出してくるものだった。
私がまがりなりにも物書きとなって当惑するのはその点だった。
どうしても小説を書くという行為の後ろめたさから逃れることができないのである。
恩田陸
私がヘンリー・ダーガーという男の存在を知ったのは中学生の頃だった
恩田陸の小説、「三月は深き
紅の淵を」の第四章『回転木馬』
脳内に浮かぶ様々なイメージと現実の景色が交錯する中で、彼のことがほんの2ページほど紹介されていた
恩田陸をしてここまで言わしめるほどのダーガーって、どんな人だろう
14歳だった私は、教室の片隅でぼんやりと午後の校庭を眺めながらそう思ったものだ
それから7年後
私は彼のドキュメンタリー・「非現実の王国で」を見に行った
アニメ化された原画を交えながら、彼の孤独な生涯をつぶさに追う
映画としてはそんなに面白いものではない
彼の作品を「代替人生」「個人的妄想」「現実世界では獲得し得ない愛や交流の表現」「孤独の昇華」、と言及されていた
違う
彼の作品に対する姿勢に、目的も理由も動機もない
描きたいから描いた
描かざるを得ないから描いた
描いても描いても止まらないから描いた
ただそれだけのことを、どうしてこんなに大げさにいう必要があるんだろう
彼の作品は現実逃避なんかじゃない、それは絶対にない
彼は作品を作ることで自分を現実につなぎとめ続けていたのだ
彼にとってこの「非現実の王国で」というあまりにも長い物語は、自分が対峙する対象だった
生のエネルギーが放出するその先には、いつも自分がいた
人間は、想像力で生きることができる
自分のためだけに生きることもできる
何も珍しいことではない
彼のような孤独な生涯を送らなくても、人間であれば誰しも心の中に彼を持ち合わせている
自分から逃げない人間は、私もあなたも恩田陸も、みんなみんなヘンリー・ダーガーなのだ