テレビ番組用の撮影なので、見どころが画面によく収まり、見ていて欲求不満になりません。バランシン・ダンサー、特に女性の美しさにこころ惹かれました。コールドバレエは最高のレベルではないと思うのですが、音楽を視覚化した身体の動き(振り付け)が秀逸。
最後の「チャイコフスキー・パドゥドゥ」は、生き生きとした速い動きにもかかわらず、バリシニコフの美しいポーズが静止画のように記憶に焼き付いて残ります。
ただひとつ、「放蕩息子」はバレエ・リュス時代の振り付けで、この映像集の中では異色の存在。主役バリシニコフの容姿とダンスが、放蕩息子のキャラによくハマっていると思います。
バランシンやソリストたちのプロフィール、作品の解説やシリーズのディレクターによる制作当時のエピソードなどが掲載された解説書(ハガキ大、16ページ)付き。バランシンがダンサーにいろいろな要求をし、
美術、撮影
スタッフとエネルギッシュに作品を
仕上げたことがうかがい知れます。