3歳の娘に、楽器に興味を持ってもらうべく購入。
タイトル通り、博物館を順に見学していくストーリーなので、
学習要素が随所に感じられ、幼児にはかたい内容でした。
小学生になったら興味が出てくるのかな......それまでは
星3つで。
カール・ドライヤーの長編第2作目です。
前作は1918「裁判長」、次作は1920「牧師の未亡人」。
1919年ですから、ワイマール憲法の制定、ヴェルサイユ条約の締結、ソビエトが樹立といった時代。
時代を考えると、わりと良好な
プリントだと思います。
デンマーク映画協会シネマテークのネガを使っています。
ピッチも当時の速さを正確に再現しているということで、ドライヤーが意図した映像空間が味わえます。
ただ、もともと古い映画ですから、少々ガタつきが気にはなります。
雨降りなどはほとんどないので、小さなキズが気にならなければ、ストレスは少ないほうだと思います。
「むかしむかし」が相当に無残な状態だったので気にはなっていましたが、こちらは不自然な形ではなく、完全な形で見ることができることに安心しました。
さて、個人的な感想です。
一番面白かったのは、形式と題材です。
解説にも指摘されているように、1915年には天才グリフィスが超大作「イントレランス」を発表しています。
これに直接影響されたと思える形式。
また、1924年にラングが「ニーベルンゲン」、1926年にはムルナウが「ファウスト」を映画化していますが、どこかこれらの映画群との関連性がありそうに思える内容。
当時の映画史などを参照しながら、詳細に関係を見てみると面白いのかもしれません。
この映画を観て、ドライヤーの神がかり的な映像空間を思い知らされたように感じました。
次々と出てくるあまりに絵画的な表現。
特に始めのキリストにまつわるエピソードは凄い。
たたみかけるように密度の高いショットが連続します。
「最後の晩餐」のシーンなどはダ・ヴィンチのそれを彷彿とさせます。
モチーフ自体にも2番目のエピソードで既に異端審問所を取り扱うなど、後の傑作「裁かるるジャンヌ」を想起させられます。
そこで多用されたリ
アリズム溢れるアップ表現も、もう片鱗が見て取れます。
1925年に「
戦艦ポチョムキン」でデビューするエイゼンシュタインあたりが相当影響を受けたのではないかと妄想しています。
力が足りないので考察できないのが残念ですが、空想が膨らむばかりです。
誰か詳しい人に教えて欲しいところです。
プリントの状態や内容を考慮すると興味のある人には宝物のような作品でしょうが、一般的に興味のある人は別の代表作を見てから手を出しても遅くは無い作品だと思います。
ファンはぜひ観てください。
素晴らしい内容でした。
ソフト化に感謝感謝。
娘がピアノをやっているので、オーケストラのことも知ってほしくって手に入れました。 詳しくないと知り得ないことまで書いてあったりして、すばらしいと思います。 プレーヤーの仕草などの描写もさることながら、イラストもとっても丁寧に描いてあって、細かく見始めると、かなりはまってしまいます!
娘のために買ったのに、私自身がとっても喜んでいる始末です。 続編があるのでしょうか? 期待してしまいます!