15年ぶりに観返しました。当時は若かったこともあって、主役のシドニー・ポワチエがオスカーの候補にすら選ばれなかったことを、人種差別の弊害とすぐさま結んでしまったものです。勿論そのような偏見は多分にあったことでしょうが、改めてロッド・スタイガーの素晴らしさに見惚れてしまい、オスカー受賞は順当な結果だったのだ、そう納得した次第です。もっとも、この年(1967年)には「暴力脱獄」のポール・ニューマンという強力な対抗馬も控えていたので、審査はさぞかし大変だったことでしょうね。
レイ・チャールズの挿入歌も最高で、暑苦しい
ミシシッピの田舎町での殺人事件というテーマにバッチリ嵌まりました。また、特筆したいのが事件のカギを握る「夜中に全裸で徘徊するのが趣味(!)」という美少女・デロレス役のクエンティン・ディーンの存在。そのナイスバディと幼さの残る妖しげな表情に、今更ながら魅せられてしまいました。どうしてその後
メジャーになれなかったものか疑問に感じます。
ともあれ、最初から最後まで飽きることなく惹きこまれてしまう傑作サスペンスです。既に鬼籍に入ったいぶし銀・スタイガーと、スタイリッシュなポワチエの絶妙な組み合わせに酔いしれて下さい。チンピラ警官役のウォーレン・オーツもイイ味を出していますよ!
ダーティーハリーを意識して「夜の大捜査線」などと言う下劣な邦題に、この映画を観ていてだんだん腹が立ってきたほど素晴らしい作品です。南部の片田舎に起きた殺人事件を題材に、人種差別を前面に打ち出した傑作です。S・ポアチエ、R・スタイガーは勿論、後に「デリンジャー」で名演技のW・オーツ。音楽は全編レイ・チャールズのR&B。未だにアメリカ南部はこうなのか?と驚きました。ポアチエとスタイガ−の微妙な感情の交錯、ラストの素晴らしさを味わってほしいです。
岡本真夜さん20枚めのシングルの
タイトル曲“Destiny”は、テレビ東京系ドラマ“新・
上海グランド”の日本語版主題歌です。
偶然再会したかつての愛しい人に心揺れる女性の気持ちの切なさが、ゆったりとしたストリングスの調べと共に伝わってきます。特に、有名なピアニストである倉本裕基さんがfeaturingしている曲の方では、心の奥底にまでこの切なさが沁み込んで行く感じです。
その他このCDに収録されている“La lumiere〜hi・ka・ri”は、岡本真夜さん作詞の歌詞を
フランス語訳しそのまま岡本真夜さんが
フランス語で歌っているのですが、外国の有名な女性singer“エンヤ”さんを思い起こすようなゆったりとした優しい感じの癒しの曲になっています。
“sunset,so sweet”は、愛しい人と2人きりで過ごす優しい時間の情景をゆったりとした調べで歌った曲です。
新たな感覚を身につけた岡本真夜さんの楽曲集を聞いてみてください!
この映画は、’70年代に日曜洋画劇場で初放映されレイ・チャールズの主題歌ともども心の底から大感動して以来、何度もテレビ放映されてきた名画中の名画ですが、この会社にしては珍しく、吹替えが収録されていません。せりふの内容で見合わせているのでしょうか?それとも他に原因があるのでしょうか、音声のテープが残っていないとか。この映画は、日本語吹替えがあるとさらに感動が伝わってくると思います。特に最初の放映時の田中信夫(ポワチエ)、富田耕生(スタイガー)、内海賢二(オーツ)版は絶品でしたので、ブルーレイ発売時には是非ともお願いします。