90年前後、部活動における背番号「10」は、特別な存在でした。
ボールを味方に配給し、時には自ら得点も決めて、試合を形作る。チームの大黒柱だったのです。
ところがこの試合、バルサでパスを配給してチームの起点となっていたのは、最後尾にいるクーマンであり、ストイチコフの得点をアシストしたのも、ボ
ランチのグアルディオラ。バルサの10番ビチュヘは、トップ下どころか、左サイドの選手でした。
トップ下が不用になり、試合の起点が中盤の低い位置になる。今にして思えば、「司令塔」という概念の転換点だったのかもしれません。
当時、私の中の10番の理想像だったライー。鮮やかにゴールを決め、MVPも獲得しました。その2年後。W杯でボ
ランチのドゥンガがトロフィーを掲げ、セレソンの10番を着けたライーがベンチで決勝戦を見守ったのは、歴史の必然だったのでしょうか。
少々“やすい”、製本にお金がかかっていない感のある本ですが、これから
ブラジルに駐在される方、現地採用で赴任される方、頻繁に出張される方にとって必携の書ではないかと思います。 痒いところにも手の届いている、とても親切な内容でした。
2008年刊ですので、そろそろ増補版が必要になってくると思います。