一気に読みました。 読み終わって、知る権利と取材者の使命感を考えました。まず、今西さんと週刊朝日取材班に敬服します。本当にありがとう。 最高幹部と昵懇でなければ、書けない内容だと感じました。原発事故については都合のいいことばかり聞かされてきました。原子力ムラの人から見れば、この本には不都合な真実ばかりが書かれています。だから、この本の内容に反発する人もいるかもしれませんが、私は説得力が圧倒的でした。官邸や、東電の会見とは説得力が違います。 原発事故の真実がわかりました。ありがとうございます。目からウロコの連続でした。
大切な本はたくさんあるけれど、こんなに泣いた本、心がふるえた本は生まれて初めてだった。 本村さんの激しい感情、強い発言はどれもこれも本当にもっともだった。 あまりに痛みが伝わってきて、涙が何度も何度もこみあげてきてこらえきれなかった。 本村さんもがんばったけれど、本村さんを必死に支えようとした人々の存在は大きかった。 凄まじい検事の執念、辿り着いた法廷に感動した。人が人を支えるとはこういうものかと思った。 この人たちも本村さんに心ふるえたのだと思うし、どれだけ本村さんが支えられたかとも思う。 私にも痛みがある。本村さんには全然及ばないけれども、自分にとってはとても深い心の傷がある。 けれどもこの本を読んで人は一人ではない、通じるのだ、支えられるのだと思えた。 絶望の中で生きるとはどういうことなのか、命とは、死とは、考えた。 人の心が通じることについて、人が人を支えることについてとても考えた。 文庫本の最後には現在の本村さんの姿が少し描かれている。良かった。本当に良かった。 本村さんには本当に幸せになってもらいたいと願う。このままそっとしてあげたい。 私にとってもっとも痛ましい事件だと思っていたけれど、この本が読めてすごく良かった。
普段、レビューなど書かないがあまりによかったので一言。 『なぜ君は絶望と闘えたのか』を書いた門田隆将の本ということで、期待して読んだ。予想をはるかに上回る内容だと思う 福島第一原発事故のさなか、現場で何がおこったのかは謎だったが、この本を読んで、「まさに死ぬ寸前だったのか」と絶句した。すべて実名での証言をもとにしており、吉田所長が語った作品としては後にも先にもこれが最後だろう。 あの時、日本は、「北海道」「(人の住めない)東北関東」「西日本」に三分割されるところだったという。背筋が寒くなるが、あの状況で現場にいた人間には、それが現実的なものとして見えていたはずだ。しかも確実に自分は死ぬ。 「自分と一緒に死んでくれる人間の顔を思い浮かべる」覚悟があった彼らでなければ、あの原発事故はあそこで終わらなかっただろう。 特に後半部分は涙がとまらなかった。原発作業員と家族・知人の思いに落涙しながらページをめくった。 ひとつ言っておきたい。この本は、反原発でも推進でもない。私個人は、やっぱり原発は恐ろしいと思ったが、それは読む人によって異なるだろう。読了まで先入観は持たない方がいいと感じた。
|