この原作は人気があって何度かTVでも作られていると思います。たぶん一番知られているのは和田勉氏が演出したNHK版で、名取裕子さんの濡れ場はたぶんNHK史上最高の露出度&色っぽさだったのではないでしょうか。ここでの十朱さんもなかなかに艶っぽく、その点では一見の価値あり。最近の米倉涼子さんの版がまるっきり色気に乏しかったのとはさすがに違うなあという感じですね。
このところシングルは逞しくて大きな世界を描いてる印象がありましたが、
今回は久しぶりにしんみりと切なく、哀愁感たっぷりな世界に仕上がってると思います。
バックの
バイオリンやエレキギターの音がいい感じに増幅してくれてます。
カッ
プリングはライブバージョンですが、
アルバムより素直なボーカルで、実際に彼女が夜会でどんな熱唱をしているのかを知るには、とてもいいテイクじゃないでしょうか。
清張氏は正義感漲る作品を非常に沢山世に送り出している大家です。また、人間の本性、社会の歪み等々も見事に燻り出して魅せてくれてもいます。絵に例えると、具象的な作風です。この作品は権力の闇を、作風道理に描いて読ませてくれています。大作ですが、読み易い作品で大変面白くお勧めです。
米倉涼子主演でドラマ化されている作品である。松本清張の悪女系の作品はすっかり米倉涼子が独占している感があるが、この「けものみち」も「黒革の手帖」と同様に、悪女が、自分の周りに群がる男どもを肥やしにしつつ立身出世していく話である。人の欲望が底なしであることをこれでもかというくらいに丹念に描いており、なかなかドロドロとしているため、読後感もハッピーエンドの小説に比べれば当然よくないが、これ以上どんな悪があるのだろうという期待感が高まって引き込まれてしまい、また展開もスピーディーで面白い。たまにはこういう小説を読むのもよい。
松本清張原作をテレビドラマ化。名取裕子主演、和田勉演出によるNHKのドラマ。公開は八十二年。名取裕子が素晴らしい。彼女の代表作であり、演技開眼した作品。共演の
山崎努は見事のひとこと。松本清張の小説をドラマ化してもっとも成功したものだといえる。前半からハラハラドキドキとして、見る者を一気に引き込む力は凄い。