絶望絶望と安易に口に出来る幸せなおたくに絶望した！
本書を読んでまだそんなことを言えるものなら言ってみるがいい。
ボクらは少女のための肥やしだそうだよ！
少女のためのカタパルトだそうだよ！
少女とお国のためのいけにえだそうだよ！
自衛隊の募集する自爆兵になるほかないのだそうだよ！
ガンダム占いでザクタンクと言われた時以来のこの絶望！
あぁでも起きてもやることないんだ…この本の中で一体何回絶望とあるか数えてみよう。
そのうち絶望期は終わる。
なにもかもと一緒に。

きっと作者には危機意識があって、自分の弱い部分か
時代の象徴なのかマントをかぶった”ダメ男”が登場
するのが前半。
男がサディスティックに糾弾されるので、まるで自分のこと
を言われてるようでドキッとする。神、戦争、国について
考えるきっかけになった。
後半は軍人ついて書かれた短編と連作。戦争に生きる登場人物
が生き生きと描かれている。
絵に引かれて本を購入したが意外なところが実になった本だった。

こういう時代だからこそあびゅうきょの作品がもっと読まれるべき。
適度な厭世観も、むしろすがすがしい。
なにより、精緻に描き込まれた飛行機は、並みの架空戦記マンガよりずっと正確で味わい深い。
作者の絵柄の変遷もわかる。