4,5行程度で済ませるつもりでしたがついつい長くなってしまいました。全部読むのが面倒だという方はすぐ下の文だけを参考にしていただけたら幸いです。
Stranger In Us Allは割と聴くけど正直言ってドゥギー・ホワイトはあまり好きじゃない。そう思ってしばらく購入を見送っていましたが本当バカでしたね。リッチーフリークが、いやHRファンがこれを買わないでどうする!と自信を持ってオススメできます。それこそなぜ今になって発売なのか理解に苦しむほどです。
リッチーに関しては腕を高々とあげたりギターを壊したり、また一曲だけで長時間にわたる掛け合いをするといった往年の派手なステージングはありませんが、その分ギタープレイには力が入っています。結果的にHRの総
仕上げになったわけですがそうでなくても最高のステージといえます。
彼の技術力は圧倒的ですが、やはり人間ですのでライヴで結構ミスをするのは有名です。しかしそれをカバーできる当時ほぼ無名といってもいい他のメンバーも十分見どころです(Drのチャック・バーギはレインボー解散前のメンバーですが)。パープルメンバーのように個性豊かとはいえませんがリッチーとプレイするだけのことはやはりあります。ライヴでも十分実力を発揮できてます。Kbのポール・モリスはたまに雑にはなりますが実力はドンと比べても遜色ありません(さすがにジョン・ロードほどとは言えませんが)。
Bsのグレッグ・スミスもBurnでグレン・ヒューズのヴォーカル部分をしっかり歌えてますし、声質も彼に似せようという努力がかなりみられます。ただしライヴでの彼の「タァァーイム、ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア、アアァァァ!」は流石に無理だったのでしょう。そこは無理をしない範囲で頑張ってくれています。
特筆したいのはドゥギーです。ギラン、カヴァデール、ロニー、グラハム、ジョーと名だたるヴォーカリストと比べるとはっきりいって劣る点は多いです。声を似せられるといった器用な長所はありますが裏を返せばその声の独自性に少し欠けますし、フックもけして強くはありません。
だからこそライヴで彼の歌う姿をあまり観ることがなかったのですが、今回これを観て彼の株は急上昇しました。会場を盛り上げようとせわしく動き回ったり、観客への呼びかけの言葉選びもなかなかセンスがあります。また曲の雰囲気にあわせて前髪を妖しく垂らしたりと、曲にぴったりのノリを演出してくれます。上述した名ヴォーカリストの後任として半端では務まらないことを知っているのかステージングに関してはかなりの努力がみえますね。ちょっとだらしないお腹が気になりますが(笑
それでもお気に入りなヴォーカリストの一人になりました。わかっていたことですがやはりスタジオだけではその人の魅力なんてわからないものですね。
また改めて解散したことが残念でなりません。
リッチー曰く「みんなが俺の音楽を聴きたいかどうか確かめる。そうでないなら楽しみにしていたプロジェクト(ブラックモアズ・ナイト)を始動するんだ」と。やっぱりこの頃にはHRに興味なくなってたのかなぁ…
SEのミスによるジュディ・ガーランドの亡霊はともかくとしてイントロとソロだけで最高潮に達する「Spotlight Kid」
ジョー期の人気曲「Can't Happen Here」と同じテイストでノリのいい「Too Late for Tears」
パープルの中でも人気の高い代表曲の一つで観客との掛け合いに盛り上がりをみせる「Black Night」←「Long Live〜」のソロの一部に入るだけですが
そのオジーらしさ全開の妖しさがライヴのセットリストをキュッと引き締める「Hunting Humans」
ヤードバーズの曲とはいえリッチーテイストの強いカバー曲「Still I'm Sad」←リッチーが笑う場面はかなり貴重!
初期の代表曲で、今でも根強い人気を誇る「Man On The Silver Mountain」
歌詞でもありますが「恐れるなよ」とビビッて漏らすなよ的な一声で始まるリッチーのHR集大成「Black Masquerade」
名曲の多いレインボーでも5本の指に入る大傑作、そのイントロ前静寂なギターだけで鳥肌ものの「Ariel」
声真似の得意なドゥギーでもやはりグラハムの真似はできない「Since You Been Gone」←ただし1分程度の演奏で非常に短いです
リッチーもお気に入りという数少ない楽曲の一つでもある神秘的な「Perfect Strangers」
ラストでスタジオ盤以上にそのスピードが加速していく「Hall of the Mountain King」
説明不用な名曲で、もはやクラシックともいえる彼の代表曲「Burn」←キーボードソロがないのは残念!
最後がこの曲で本当よかった「Smoke On The Water」
特に「Black Masquerade」のイントロで、まるで後光のようなライトを背にギターを弾くリッチーの姿があまりに様になっていて圧巻です。
お得なCD同梱版をオススメしますが、一度ライヴ盤を聴いてしまうとスタジオ盤じゃ物足りなくなります。絶対に!
名曲「Burn」を中心に、元HurryScuaryの中間英明氏がリッチー・ブラックモア奏法を解説しています。曲自体はスタジオ盤とライブ盤を折衷したようなバージョンで解説されている為、スタジオ版の完全コピーでは有りません。
この曲自体、スコアが沢山出回っており、わざわざビデオで解説する程難解な内容は無いので、新鮮さや新しい発見は有りませんでした。
中間英明氏のデモ演奏が見れる、という意味では貴重なビデオですが、奏法解説としては、余り意味が感じられない作品でした。