少し変わっていますが、ピンボールなので、メト
ロイドを知らない人でも十分楽しめます。緻密なグラフィック、かっこいいギターサウンドで、NDSのイメージが変わりました。ピンボールものとしては結構な完成度と言えるのではないでしょうか。個人的には、サターンのラストグラディエイターが最高傑作だと思っていますが、このメト
ロイドプライムピンボールも負けない位良い出来だと感じました。台を揺らすのが
タッチペン使用という点と、対戦通信のモードの少なさを除けば、文句無しです。
何で知って買ったか忘れましたが、アマゾンもインターネットもない時代に手に入れた本です。
内容は前半当時わりとポピュラーだったマシンをカラーで紹介したり、ピンボールの歴史、プレイテクニック、
パーツの名称、用語辞典など、ピンボールマシンについてのほぼ一通りの薀蓄が載っています。
iPad miniのPinball Arcadeというゲームが実機を再現していてなかなか面白かったので、この本を引っ張り出して
読んだ次第です。
あと村上春樹さんのエッセイも載っていますが写真入りで6ページ程なので、個人的には村上春樹本というより
ピンボールファンとしてゲストで寄稿しただけの様に思います。
また刊行も1989年で、まだ
新宿や
渋谷のゲームセンターにマシンがズラリと並んでいた時代の情報なので、今では
大分内容が違う箇所もあります。(当然台の紹介も刊行以降に出たものは載っていません)
定価が3,700円なのでピンボールファンなら一万円出して買っても役に立つかとは思いますが、3〜4万円も出すほど
の希少価値は少ないと思います。(ただこのジャンルの本はほとんどないんですよね)
2歳半の甥に集中力をつけさせようと思いプレゼントしてみました。ゲーム自体は、台を傾ければボールがマトにあたってしまうという単純な構造でしたが、マトにあたると音楽が出たり、バイキンマンたちが飛び出したりと、アクションがあったり、おもちゃに慣れるにつれ要領をつかみ、強くたたけば(ボールが)強くとぶということを理解し遊ぶ姿を見て、1つ学習できたのではないかなと思いました。
村上作品に何を感じるかは人それぞれだと思う。僕にとってはこの作品は彼の作品の中で一番リ
アリティを感じてしまう。1970年代僕もピンボールに夢中だった。淡々と異性と付き合い、ビールを毎日飲み、思想もなく、当然にそこに政治もなかった。彼の作品の「こちら」と「あちら」が渾然一体となった生活があったのは事実だと思う。それがこの作品以降明確に分離する。僕にとっては村上作品の出発点はこの作品からだと思う。彼の原点を知る上でも外すことの出来ない作品であるのは間違いないと思う。是非とも読んでみて欲しい。