近未来の現実を予期させるヒューマンドラマと言えるのではないでしょうか。テクノーラという会社でスペースデブリ(宇宙ゴミ)の回収をしながら自分の宇宙船を持つことを夢見ている主人公・ハチマキとテクノーラのゴミ箱部署と揶揄され蔑まされているデブリ回収部署に配属された新人デブリ屋・タナベを軸に物語が進みます。宇宙ゴミ回収時のアクシデント、スペーステロ、理想と現実との狭間での葛藤、自分探し、出世争い、地球上での地域間貧困差や変わらぬ紛争問題、恋模様等々。様々な問題提起をしながら最初は淡々と、時にハラハラ・ドキドキと、段々と熱く、適度な緊張感を各所に散りばめてダレルことなく一気に見せる力作です。エンディングへの転換となる
木星往復船クルー選抜試験での極限状態シーンでは画面に見入ってしまいます。月でのアクシデントでは切ないです。その後の同僚との再会の場面では心が温かくなります。最後は大団円と言えるでしょうが、そこに至るまでの人間としての心の在り方・生き方・成長を重量感を伴って描いています。この作品がBDとなって発売されたことは、番組放送時や既発売DVDの美しい映像を更に昇華させたものとして嬉しく思います。映像の美しさだけでなく、作品の質の高さも素晴らしい名作です。
単巻版を全巻所持しておりますが、テレビ放映当時の興奮を思い出しておもわず購入してしまいました。
10年近く経ちますが繰り返し鑑賞を楽しめるアニメ作品のひとつと再認識しました。
廉価版ということでの差別化なのでしょうか、単巻版の冊子や映像特典は収録されておりません。
せっかくの廉価版で購入しやすく、本作品を初めて購入される方もいらっしゃるでしょうから
冊子は無いまでも映像特典はあったほうが より多くの方が世界観を楽しめたのではないかと思い、その点が残念です。
特に本編を見ながら設定が表示される「コメンタリーボード」は収録して欲しかったです。
(巻末の同社商品の紹介映像が当時のもののまま手が加えられていなかったので、
映像特典もそのままにして欲しかったです。紹介作品が懐かしかった点は良かったですが)
ディスクケースは3つあり、オモテ面のデザインはそれぞれToyBox、フィッシュボーン、ToyBox2
と宇宙船の線画が描かれていて、スッキリしたシンプルな感じです。
ウラ面は各ケースでディスク3枚分のサブ
タイトルやサムネイル、主な
スタッフ情報が見やすくまとまっています。
ディスクの盤面は9枚とも白色と銀で月面があしらわれており、文字はトルコ青で綺麗に統一されています。
若干 残念な点もありましたが、この作品に興味のある方、今回のBOXを機に手元に置いておきたい方には、
価格面からも おおむね満足のいくものになっているかと思います。
余談ですが、初見当時、原作漫画との比較で双方楽しめました。
漫画を未見の方は、そちらもご覧いただくとアニメ版もより興味深く見られるのではないかと思います。
モーニングで第一話を読んで、ガツンとやられました。
これが処女作とは信じられない完成度。恐るべき才能です。
全4巻に通じて言えるのですが、
プラネテスのすごさは、
徹底してシンプルなことです。描写、セリフ、ストーリー。
すべてにおいて技巧に走らず、シンプルなのに重みがある。
だから読むたびに発見がある。単行本で買ってまったく損
がない。
特に20代前半、ハチマキと同じように「社会」に向かって
戦い始めた年代には最良の一冊になるでしょう。
仕事の実感を得て、結婚をして、それから読み直すと、また
驚くほど物語の風景が変わります。そのくらい「厚みのある」
作品です。
近未来の宇宙を舞台にした、『
プラネテス』。
原作もおもしろいんですが、私はどちらかと言うとアニメ派です。(ストーリーが違います)
その理由の一つに、アニメ
プラネテスを彩る音楽です。
要所要所で流れる曲はドレも素晴らしいものばかり。
特にお気に入りは、一話のラスト近くで流れた「Jupiter Highway」です。
晴れた夜に聞くと感動が倍に!
酒井ミキオ氏が歌う、OPとEDも入ってます。
アニメファンは是非聞いてみてくださいっ。
PAL方式なので、通常の日本のDVDプレイヤーでは再生できません。
DISC1を外さないと、DISC2を取り出せないBOXに
収納されているので、愛蔵用として購入をお考えの方は注意が必要です。
宇宙遊泳のシーンはうっとりするほど、作画はきれいです。
魅力的な脇役が多いです。
逆に言うと、主人公とヒロインが「熱血・直情型」で、あまり性格に深みがなく魅力に乏しいかも...
低年齢向けの作品内容でないのは間違いないので、もう少し「大人」向けのキャラ設定にしてくれればよかったのになあと思います。
とは言いながら、最後まで全部視聴するに耐える作品だったので、星4つ。