映像はとても綺麗です。
MPEG-2ではありますが平均レートは38Mbpsくらい常時出ていますし、40Mbps超えもある。
さすがにそれだけのビットレートが確保できているからかとても美麗。
細かい描写まで破綻する事なく丁寧に映し出されていて、世界観を知る事ができます。
他のBD作品とは映像画集という事で比較は難しいですが、かなり綺麗だと感じました。
音質も中々よい。
基本的に音楽がBGMとして流れるのと効果音が付いているだけですので一概にどうとは言えません。
ただ雰囲気にとても合っていますし癒し系のサウンド。
サラウンドっぽさはあまりありませんが心地よいです。
映像画集なのでストーリーなどはありません。
井上直久の絵が映し出され、それにCGや2Dアニメーションが加えられて静かに動く仕組みになっています。
あの幻想的な絵の中の木々が揺れたり、波が打ち寄せたり、雲が流れたり、人がこっそり動いたりと癒される作品。
井上直久の世界観が好きなら楽しめると思います。
綺麗な画集、それに合わせて動くアニメーション、心地よいサウンド、これらが時間の流れと共に合わさった新しい映像作品になっています。
とても心地よいのでなんとなく流しているだけでもいいかも。
特典は原画
ギャラリーやオーディオコメンタリー、ビデオ日記など中々豪華。
ポップアップメニュー、トップメニュー内にあるお知らせでは、SD画質ながら
ジブリ作品の予告を見る事ができます。
さらにサウンドトラック特典CDがパッケージ内に付属しており満足度は高い。
自分のように井上直久の世界観が好きなら間違いなく買いですが、そうでない人にはお薦めはしにくい
タイトルではあります。
イ
バラードの世界は光と色の魔術でいっぱいです。クロード・モネの光もすばらしいものですが井上直久の光と色とフォルムはそれ以上の感動を覚えましたね。それだけでなくこのCDでは散歩というか探検なのか、さまよって迷路を行き来する楽しみがありますよ。バックに流れる音楽も浮遊感のあるプリズムの世界にいざなってくれますし、映像世界で活躍する人間はもとより、自分の生きる風景にちょっと飽きてきたひとは足を運ばれることをお勧めします。
絵画とともにイ
バラード大図鑑がこのCD-ROMの特徴です。
イ
バラードとは、ただ単に色彩がきれいなだけの風景画ではなく、SFというかファンタジーの世界の一コマです。そこでは我々の世界とは異なる物理法則が支配しています。だから山が空に浮かんでいたり、森の地下に都市隠れていたりするわけで、それにはそれなりの背景があるのです。
指輪物語の作者トールキンは、エルフのために新たに文字を自作したといいます。でもその文字は直接には本にでてきません。イ
バラードの絵画も、その製作の背景には歴史や経済がつくられていますが、それは直接には絵画には現れてきません。単に住民の服装や街の情景に反映させているだけです。絵画鑑賞とは、本来絵のみを通してそうした背景を感じるとるべきなのでしょう。でもこのCD-ROMの図鑑や講義が理解の手助けになるのは事実です。それまでばらばらに見えていた画集に、ある自分なりのストーリーが見えてきます。
バックに流れる透明感のあるメロディーもまた独特です。それはどこの国の音楽とも判断しかねる、まさに別世界の調べのようです。