エミールとユリアン、二人の美しい若者の復讐譚。
綺麗な文章や、高貴な空気感。往年の外国映画や、耽美な外国文学のような世界にのまれる。
流れるピアノの音、香りたかい花の蜜。血の臭いや、漆黒の闇と悲鳴といった、やさしい光景と、陰惨な事件が絶妙に絡まる。
養蜂家の少年エミールと、クンゼンシュテールン家のユリアン。それぞれ吸血鬼と
魔女という異形をひきつれた、この二人の美少年の人生がついに交差し、一気に面白い展開に。いざ……というところで以降、後編へつづくのが、出鼻をくじかれて、いらっとするほど、気付けばこの作品世界に落ちていました。
はっきり前編という記載はないが、よく考えてみれば第二楽章でコンチェルトが終わるはずがないわけで、そういうところを読み取れない人には厳しいのかも。ほのめかされる黒幕、異形の存在意義と出番、どんな結末が待ち受けているのか。後編を切望してやまない。
まさに、怪物という
タイトルがピッタリ当てはまるような不気味感たっぷりの作品でした。
私は、
佐藤浩市の刑事ものが好きでよく観てるのだが今回の敵は現代的というか予想外の展開が起こるので、最後まで楽しめた。
佐藤浩市の刑事ドラマというと棟居刑事シリーズが、有名なのだがまったく別の角度から捉えた、サスペンスというよりはミステリーですね。
この手の作品が好きな方は夏の暑い夜に電気を消して観ると、少しはこの猛暑がやわらいで涼しくなるかもしれませんよ。
あと、この三人のキャスティングも意外でしたね。