ジェームズ、ホーナーと言えば、「タイタニック」、「アポロ13」等のテレビで流れる音楽を想像しやすい。
この作品は初期の名作と言えよう。キャメロンは「タイタニック」と「
アバター」でも組んでいるが、音楽が貢献している名作ではないだろうか。
前作のSF恐怖映画 『エイリアン』の趣からガラリと作風を変えて「SF戦争映画」となった本作。
続編制作決定に伴い、続編としてのストーリーを考案する
スタッフの中に『ターミネーター』で一躍名を馳せた監督の
ジェームズ・キャメロンは、基本プロットを
ドイツ・ヘッセン地方に伝わる民話『白雪姫』(グリム童話版に非ず)からインスパイアしてリプリーを姫、7人の山賊を宇宙海兵隊兵士、エイリアンクィーンを文字通りの女王に見立ててストーリーの再構築を試み、姫と女王の対決という「女の戦い」をクライマックスに置くプロットを書き上げた。そのアイディアを前監督のリドリースコットに気に入られ、シリーズ新監督として抜擢され完成させたのが本作。
ノベライズでは映像画面で表現し切れなかった展開の細部ディテールや、登場人物の心理描写が克明に描かれており、リプリーがニュートに対して強い母性を注ぐ経緯も克明に描写することでクライマックスの死闘がよりスリリングな展開となる。映画、小説の双方で楽しめる作品として高いレベルで
仕上げたのは、前作から続投のノベルライター、アラン・ディーン・フォスターの手腕によるところも大きい。
リドリースコット監督が手掛けた前作との大きな違いは、敵が複数いること。そのせいか、アクション要素が多く含まれているように思う。しかし、まったくホラー感が無くなったわけではなく、例えばレーダーからしか捕らえられない恐怖、つまり見えない恐怖というのは、前作を上回るものがある。これは敵が近づくにつれてレーダー音の間隔が短くなるという、ホラー映画における音響効果の基本をしっかりおさえているのにも理由があるだろう。他にも、限られた施設の中で起こる、ある種の閉塞状態における恐怖を描いているのは見事である。
また詳しくはのべないが、リプリーとエイリアンクイーンの対比、暗示等はモラルをくすぐられる。
いきなり2から見ても充分楽しめるが、リドリースコット監督の描いた宇宙の虚無感、倦怠感を念頭において、2を見たほうが、いい意味で裏切られて、見ていて楽しい。