フルートの曲は、恥ずかしながら、ジェイムズ・ゴールウェイ以外は、聴いていなかった。それで、充分、満足していた。
だが、FMラジオで、この盤を聴いた時、とても心に深く響いた。ゆっくりとしたテンポだが、感動的な重厚さが、説得性を持って、私に語りかけてきた。私は、その瞬間に、もう、この盤を買おうと、心に決めた。
特に
カラヤンファンと言うわけではありません。
ダボハゼのようになんでも聴いていますが、やはりバッハが好きです。
ある人から教えてもらって入手しました。
最初、
カラヤン指揮&Cmbとあったので???でした。
慌ててみてびっくりしました。
チェンバロを弾く
カラヤン・・・左手を
カラヤンらしく優雅に(または気取って)あげてオーケストラを指揮する姿。
あ〜びっくりした。
曲自身が名曲ですが、音が素晴らしいです。
映像的にも様になる
カラヤンですので、観ていても楽しかったです。
40年以上前の映像とは思えないほど音はきれいでした。
好き好きでしょうが、これはお買い得でした。
この作品の土地、歴史を体で熟知している巨匠
カラヤンの流麗な音楽に心奪われました。
何度聞いてもほっとします。よいものはひとを癒すことが出来るのですね。
収録はお馴染みのサン・モリッツでだろうか。小ぢんまりとした昔風の歌劇場といった趣き。解説によると同地レヌ・ヴィクトリア・ホテルの小ホールではないかとのこと。時期は1967年の由。
演奏は可もなく不可もなしといったところか。
グラモフォンでのスタジオ録音同様、流麗で響きが美しくてアクセントにも欠けない、要するに聴き映えのするバッハで、人によっては耳当たりがよ過ぎて聴き応えがない・軽い・浅いと感じるかもしれない。とは言え、例えば当時のエラート・レーベルの各種録音などに比べると、バスが利いてキビキビ・ガッチリした伝統的
ドイツ・スタイルに根差した演奏ではあると思う。何より、
カラヤンのリラックスした指揮ぶりとチェンバロ演奏は確かに一見の価値がある。
撮影についてはいつもながらと言うか相変わらずと言うか、全身を映すのは
カラヤンのみ。他のプレイヤーは、時に額の生え際にまで寄るかのようなクローズ・ショットが専らで、オーケストラ全体を正面から捉えた映像はついに最後まで見られない。
フルートのツェラーの唇のアップなどはいささかグロテスク。ポリフォニーとの同期を狙ったのか、余りに頻繁なカッティング(ブランデンブルク協奏曲は特に)も演出過剰で煩わしく、照明もギラギラと目にきつい。
一番面白かったのは楽器の配置で、オーケストラ正面に向かった
カラヤンのチェンバロと互い違いにもう一台が置かれ(当然ながらどちらもゴツくて大きい、グランド・ピアノと見まがうモダン・タイプ)、適宜ハーモニーを充填したり、指揮に忙しい
カラヤンを補助したりしている。当時・当地の標準的なスタイルだったのか、それとも理想のサウンドを目指す
カラヤン独自のアイデアなのか。そう言えば同時期の
ヘンデルでは曲ごと・楽章ごとに通奏低音をチェンバロ、リュート、ハープと使い分けていたのを思い出す。肩の力を抜いているようでいて、こういうところにもこだわりを見せているのだとしたらさすが。これらの曲のベスト・パフォーマンスではないにしても、また映像面で色々不満はあるものの、懐具合に余裕があれば持っていて損はしないディスクだと思う。
ところで、その第二チェンバロを演奏しているのはテオドール・グシュルバウアーではないかと思うが如何。