死神というと、皆恐れて敬遠してしまうのが当たり前。しかし、こんな死神だったら一度は会ってみたいと思う。死神番号「Aの100100号」のモモは穏やかで優しい女の子ではあるが、死神でもある。命を終えた人々の魂を天国へ届けるのがモモの任務。本当はそれだけに専念していればいいはず。でも優しい彼女は、それだけでは満足せず、ついそれ以上のおせっかいをやいてしまう。相棒の魔界
猫ダニエルに小言を言われながらも、モモは思いを残したまま去っていった魂と残された人々との間に触れ合いの場を設けてあげる。悲しみにくれる残された人々は去って行った人々の人生の意味を知り、また自らの人生の意義を見つめ直し涙する。それを後ろでそっと見守るモモの目にも涙が光る。
人の命を奪い、そして天国へといざなう。嫌われてもしかたのない損な仕事。それでもモモはその仕事を着実にこなす。でも、彼女はただそれを機械的にこなすのではない。人生を終えようとしている人は皆、モモの優しさにふれ安堵しながら天に召される。天に召される人々は大丈夫。なぜなら、これから新しい世界が待っているから。問題は残された人々にあるとモモは思い、皆を気遣う。そんなこと本当なら死神の知ったことではない。でも、遅かれ早かれ残された人々ともモモはかかわることになる。この人たちの魂をいずれは迎えに来なければならない。だから彼女はすべての人々に幸せであってほしいと望み、満ち足りた心のまま天に召されてほしいと心から願う。これはそんなモモの愛の物語でもある。
死という一大事件がテーマの深刻な話。でも、これは全ての人に訪れる現実の話。誰でも愛する者に先立たれ、誰でも愛する者を残して先立たねばならない。それは動かしがたい真実。でも、モモのまわりには絶望とは程遠い柔らかいオーラが満ちている。去りゆく魂と残された人々にとっての明日へとつながる希望の光が満ちている。望みを捨てずに、愛を胸に抱いて、温かい涙を流しながらモモはおせっかいをやきつづける。けっして強制することなく、自分たちの力で答えを見つけられるように彼女は人々を導いてゆく。これからしばし生を謳歌していく人々が、今は亡き愛する人々の生きてきた意味と、自分の人生の意味をしっかりと見つけられるように。
これは、それ以上の話でもないし、それ以下の話でもない。でも、それだけで十分。生きることの意味。命の輝き。愛すべき死の天使モモが、かけがえの無いことを教えてくれる。これはそんな泣き虫な死神の宝物のような物語。
しにがみのバラッド。のOPとEDの曲が入っています。この曲を聴いているとアニメが見たくなってきました。しにバラの雰囲気にぴったりの曲だと思います。しにバラファンなら迷わず買いですね☆