外国人殺人事件が起こり、残されたストウハという言葉を手がかりに刑事が捜査に乗り出す。一見サスペンス映画ののりなのですが、観ているうちに登場人物たちに感情移入してしまい謎などどうでもよくなってきます。国境を越えた親子関係の難しさを映画を通して考えさせられ、最後の麦藁帽子が舞うシーンで涙しました。サスペンス映画としての骨格をきちんと備えつつも、それを霞ませてしまうぐらいの人間ドラマが展開します。日本映画史に残る名作です。
2011年は東日本大震災があった事を外しても、日本文化に貢献した偉大な人が亡くなった凶年として記録に残るだろう。
「コント55号」の坂上二郎氏、ブルース&ロックの原田芳雄氏・柳ジョージ氏、そしてこのジョー山中氏もそうだった。
1946年、
横浜生まれ。 7人兄弟で一人だけ肌の色が違ったそうだ。(朝日新聞「追憶」記事より)
海に囲まれて国境線を意識しない国民性のせいか、バブル時代になっても「日本は単一民族国家だ」と無神経なことを言う奴が操ってきた国だけに、肌の色だけで散々な苦労をして来た事は想像に難くない。 それでも、持ち前の明るさがあったからこそ多くの人が慕っていた。
「公式メモリアル・ベスト」を謳っているだけに、ご家族によるその選曲は見事である。
日本よりも
カナダ・アメリカでブレイクしたフラワー・トラヴェリン・バンドの「SATORI Part II」「HOUSE OF RISING SUN(“朝日のあたる家”という邦題が有名)」、大ヒットした映画「人間の証明」のテーマ(大野雄二氏編曲のオリジナル・バージョン)、映画『戦国自衛隊』主題歌「ララバイ・オブ・ユー」('96年の30th version)、アニメ映画『
あしたのジョー2』の主題歌「青春の終章」、'80年代から始まった"REGGAE VIBRAT
ION"シリーズなど、ジョー氏の輝かしいキャリアの断片が収められている。
しかし自分にとっていちばん嬉しいのは、世界に向かって長年
英語で歌ってきた彼がおそらく初めて日本語のアルバムを意識したと思われる'81年の『
魂』(2013年4月、晴れてCD化)から、松田優作に提供した「戦い続ける男達の詩」が収められている事だ。 ここにはクレジットされていないが編曲が深町純氏であり、パワフルなピアノも聴かせてくれている。 中途半端な終わり方は「Life goes on(人生は続いてゆく)」の思いがあって、あえてそうしたと思われる。
選曲は5つ星の満点だけど、ひとつだけ不満がある。 ジョー山中氏のご長男・山中ひかり氏のコメントと内田裕也氏の弔辞が収録されているが、各曲の歌詞添付がないのだ。
江戸屋レコードに問い合わせたら、やはりそういう構成との事だ。
ジョー山中さんが亡くなったというニュースをテレビで見て、映画「人間の証明」のテーマの曲をゆっくりと聞きたくて購入しました。映画「人間の証明」は何度か見ましたが、ジョニーヘイワード役をジョー山中さんが演じていた事は知りませんでした。この人間の証明のテーマを聴くと八杉恭子が麦わら帽子を谷底に投げ、そして谷底に身を投げてしまったのか?刑事2人の目の前から八杉恭子は姿を消してしまう映画の名場面が蘇ってきます。このCDには人間の証明のテーマのオリジナルバージョンと別バージョン2曲が収録されているので聴きごたえがあります。ジョー山中さんの良さや魅力を再認識させるCDでしょう。