すでに多くの好意的なレビューが並んでおり、評者の評価も、みなさんとほぼ同様。読んで面白く、共感するところ多く、しかもタメになるスポーツエッセイだった。芝生のマツダスタジアムを激賞し、「校歌好き早稲田」の野暮ったさを冷やかし、引退セレモニー不要論を打ち出し、野球選手と名前の相性を考察し、といった具合で、全編それぞれにひねりがあり、ヒトの悪口は絶妙のバランス感覚でオブラートにくるみ、それやこれやで気分のいい読了となった。
とくに、あの各種スポーツでのライバル、韓国(および中国)について触れた箇所は大層冷静で、あざとさが窺える先方の事情をくみ、「せこい」とか言いながらも、そうせざるをえない中韓側の言い分にもきちんと理解を広げている。その屈託のなさ、大人ぶり、あるいはスポーツマンシップの発露には大いに感じ入った。
タイトル通り、家庭内での問題に悩み・心配し・解決に向けて奮闘する家族の姿を描いた短編集。
妻がいる家に帰りたくない夫がいたり、両親の離婚問題に悩む女子高生がいたり、妻のマラソン大会出場を応援する夫がいる。
他者から見れば大した心配事でなくても、家族の中では大問題となる。
それは家族が何より大事だから・・。
そんな単純なことを改めて思い出させてくれる作品。
非常に後読感が良い。
文章も読みやすい。
6編の内、誰でも最低どれか1編は共感できる話があると思う。
個人的には「夫とUFO」がお気に入り。
夫の変調を感じ、本棚を調べたり、セミナーに潜入したり・・。
物語最後の堤防での夫婦の掛け合いは最高!
妻の夫を気遣う気持ちが痛いほど伝わってきた。
本来は小説を先に読むべきなんでしょうが、こちらのコミックの方を読んで小説があることを知りました。
人気作家の作品なのにかなりウッカリものです。
絵柄はちょっと好みが分かれるところかもしれません。
6編とも、どこにでもありそうな家庭の中に巻き起こる、ちょっとしたトラブル、変化ををユーモアを交えて起伏に富んだストーリーに
仕上げてあると思います。
ただ、そのトラブルというのも「あぁ、そういうことって現実にも起こりうることだよね」程度の事ではあるんですが、それをこんなに面白く感じさせ、物語の中に引き込んでゆくんですから見事です。
話の持って行き方によっては結構コワイ話にもなりうるものだし、そこのとこが絶妙。
このストーリーに西村氏の絵柄は、私は合ってると思います。
主人公たちのショックを受けて「はうぁ!」となった表情は笑える。
特に好きな話は4軒目の「家においでよ」と6軒目「妻と玄米御飯」。
6編中異色だなぁと思ったのは5軒目の「グレープフルーツ・モンスター」です。
「家においでよ」と「妻と玄米御飯(周囲のロハスピープル(笑)達に徐々に追い詰められてゆく小説家の夫の心理描写が傑作!)」は男性で読んで共感する人が多いかもしれません。
あや、ひょっとして私、男性目線なのかな・・?
小説も読んでみたいのですが、今は文庫化待ち・・(オイオイ)