今後新しいファンがこの作品まで遡る事があるのか疑問ですが、まだ聞いてない人には是非薦めたい作品です。音数は少ないのにカラフルで洗練されたバックの演奏と落ち着いたジョンの声が非常に心地好く、未だに愛聴してます。ドラムが違うだけでいかに印象が変わるかも体感していただければ。前作にあたるバンド名義での『These Days』がバラエティーに富んだクオリティの高いものでしたが、その流れのままにメロディメーカーとしての才能を発揮してます。特に2曲目はソロでしか聞けないようなドキャッチャーな名曲です。バンドに不和があるわけでもないし、非常に出すタイミングも的を得てたと思います。
1997年7月ジャンニ・ヴェルサーチは銃殺という非業の死をとげる。この本はその年に出版された彼の服を身にまとうロック・ミュージシャン達の本で彼らとの共著の形になっている。そのクライアントたるや淙々たるメンバーでエルトン・ジョン、ボン・ジョビ、マドンナ、スティング、テイナ・ターナーである。そしてダイアナ妃の名がクレジットされ後はざっと有名なフォトグラファーが並ぶ。
1991年の10月18日から12月8日には、
神戸市立博物館において日本におけるジャンニ・ヴェルサーチの芸術としての初めての認知とも言える『ジャンニ・ヴェルサーチ衣装文化展』が行われている。この段階でジャンニは他のデザイナーとは格が違うことを見せつけたというべきだろう。(実はこの時のカタログが全ての本の中で一番素晴らしい!!!)
既に『メデューサ』に代表される彼の作品を象徴するファクターは全て完成していて、実に中身のある見ごたえたくさんの本に仕上がっている。彼の服を着るロック・ミュージシャン達を撮る写真家もアーヴイング・ペン、ヘルムート・ニュートン、リチャード・アヴェドン、ジャンパウロ・バルビエーリ、ハーブ・リッツと大御所がずらりと並び、ポスター画もアントニオ・ロペス(この人の画風って荒木飛呂彦に似てるなぁ)、ウェルナー、ブルース・ウェーバー、タイェンと凄い人ばかりである。
彼の作る服は間違いなくこういったビジュアルの巨人・ロックの重鎮たちを引きつけて離さない引力を持っていた。ジャンニの芸術を知るに不可欠な一冊である。
ジョン・ボン・ジョヴィが胸毛を剃って挑んだ初の主役。撮影現場の
ロンドンにアパートを借りて家族を呼び寄せ、普段とは異なる環境での暮らしも満喫していたようだ。ジョン扮するロビン・グランジは、手の早さが災いして
ハリウッドを追われ、
ロンドンに渡って舞台に出演することになった、女ったらしの映画スター。新進女優ヒラリー(タンディー・ニュートン)との浮気を妻エレナ(アンナ・ガリエナ)に感付かれて参っている劇作家フェリックス(ランベール・
ウィルソン)に、自分がエレナを誘惑して気を逸らせることを提案し、実際、見事な手練手管でエレナの心を掴んでいく。一方でヒラリーとも妖しいムードに・・・と、大した色男ぶりを見せながら迎えるサスペンスに満ちたクライマックス、その結末や如何に!?ちなみにジョンの衣装は総て、この頃彼が専属契約を結んでショウのモデルにもなったヴェルサーチのもの。
この6作品、ちょっと面白い組み合わせだ。発売会社がらみでこうなったのであろうが、あいだに「スターマン」が挟まっている所が妙である。
デ・パルマが「アン
タッチャブル」で、そしてサム・ライミまでもが「スパイダーマン」で
メジャー入りを果たしてしまった昨今、しぶとく「ゴースト・オブ・マーズ」のようなゴテゴテのB級作品を発表し続けるジョン・カーペンターが、ひょっとしたら
メジャーへの架け橋だったかもしれない作品が「スターマン」である。
しかし、その後「ゴースト・ハンターズ」「パラダイム」「ゼイリブ」と続くのだから
メジャーどころの話ではない。むしろB級街道まっしぐだ。
次は、「なんかやってくれるぞ」と思いつつ結果はいつものカーペンター節。それでも何故か見ずにはいられないクセになる監督だ。これからもジョー・ダンテと共にB級娯楽路線をひた走ってほしい。