はっきり言います、キムタクに対しての偏見を持っている人はこの作品を見る価値はありません。
何故かといえば、ほとんどの歴史ドラマを見てきて、
織田信長が誰よりも一番合っているのは彼です。
特に、道三との面会シーンでの凛とした佇まいと、普段の粗暴な信長とのギャップを演じられるのはキムタク以外にはいません。
信長のことがこんなに事細かに分かるなんて。
凄い文書です。
信長の、かなり近くに仕えていなければいけませんし、
しかもどこかで戦死していたら残っていないわけです。
それから、記憶力、残そうとする気力、いずれも揃わなければいけません。
奇跡的だと思います。
信長の魅力が伝わります。
天下統一はほぼ信長時代になされていたと言っても過言ではありません。
信長を信頼して全力で仕えていたのが、秀吉、家康ですね。
この二人のイメージも変わりました。
信長が信州、甲府を回って、浜松に宿泊したことがあるのにも驚きました。
家康くんなんて言っている場合ではありません。
明智光秀は、いったい何が不満だったのでしょうか。
宮本武蔵をブレイクさせる前の中村錦之助は、
織田信長を当たり役にしていたそうである。「
徳川家康」などの大河歴史小説で知られる山岡荘八の原作を下敷きにした本作も、実は本人によるリメイクなのだ(オリジナル版は1955年に製作された「
紅顔の若武者
織田信長」)。
NHKの大河ドラマのように、信長の一生分を映像化するには、95分という尺はやはり短すぎる。本作では、父・織田信秀の葬式から、「海道一の弓取り」今川義元を破るまでの数年間に限定して、よく笑い、よく泣く、若き日の信長の快男児ぶりが痛快に描かれている。 お馴染みのエピソードの中には、省略されたり、順番を入れ替えられたりしているものもある。ディープな信長マニアや時代考証ファンは気に入らないかもしれないが、その分物語がシンプルになり、一つ一つの場面に十分な時間をかけることによって、「映画の神様の子」錦之助の演技力が目一杯引き出されている。
特に、月形龍之介演じる信長の守役・平手政秀とのやり取りが素晴らしい。特に、「爺には苦労をかけ通した。だから今回は爺に手柄を立てさせてやりたいのよ」と言って、自らの名代として斎藤道三の下に政秀を遣わそうとする信長。翌朝、平手政秀は切腹して果てた。駆け付けた信長に宛てた遺書には、こういう事が書いてあった。原文は「〜候」調の難しい調子だったので現代語訳すると、「あなたはとても聡明で天下を取れる器を持ったお方だ。あなたのお役に立てればこの上ない幸せだが、この年老いた身では足手まといになるばかり。もう私がいなくても、お一人で立派にやっていけるのだから、これからは身支度や言動を改め、この老人が託す夢、天下統一を成し遂げてくだされ」。信長は泣いた。泣いて泣いて悲嘆にくれた(私も泣いた)。この辺り、月形龍之介と中村錦之助の魂の演技が炸裂しまくりである。やはり昔の俳優はスゴい。