特にコーヒー好きではありませんが、仕事場で同僚が昔のナショナルのミルを使っていて、その美味しさに驚きました。ナショナルの(パナソニック)のものが生産中止だったので、いろいろ検討してこれを購入。入れたときの香りのよさとと、飲んだあとに口の中に長く香りが残るところが気に入ってます。丁寧にやっても粉が少量こぼれて机が汚れますが、クイックルワイパーハンディーでひとふきすればOKです。コーヒー豆の脂分でミル内に微細な粉がこびりつきますが、付属の小さい筆で落とせます。この筆、小さいのでミルの中にしまえるのですが、先日筆ごと豆をひいてしまい、こなごなになってしまいました。それ以来、「まあいいか」という感じで中に残る粉は気にしなくなりました。職場と家用に2台買ってしまいました。コードは巻きづらいです。いまのところ、「美味しい」が「めんどくさい」より勝っています。
今年は、深く感動した小説『
猫を抱いて象と泳ぐ』をはじめ、『
心と響き合う読書案内 (PHP新書)』、『
小川洋子の偏愛短篇箱』など、著者の本を何冊か手にとり、それぞれに幸せな数時間を過ごすごとができました。そろそろ年の暮れというこの時期に読んだ本エッセイ集も、そう。頁をめくり、著者の人生観、感受性の清々しさ、あたたかさに触れることができる文章を読んでいる間、何度も目頭が熱くなりました。
まず最初にじんと心にしみたのは、著者が生き生きとスケッチする働く人たちの姿。<人間の働く姿、それはいつでも私を元気づける。>p.23 と記す著者が活写する文章には、文句を言わず、一生懸命に仕事をする人たちへの敬意といとおしさの気持ちがあふれていて、惚れ惚れさせられましたね。「働く人の姿」「大人の女性とは」「黙々と労働する人」といったエッセイ。
人と人とが出会う不思議や、天性の才能が多くの人を魅了する素晴らしさを綴ったエッセイも、よかったなあ。「人と人が出会う手順」「神様の計らい」といったエッセイ。なかでも、カレン・カーペンターの歌声の特別さについて記した「神様の計らい」の文章に、ぎゅっと心を掴まれました。
著者が出会った忘れがたい映画や本のことを書き留め、紹介したエッセイも流石に素晴らしく、改めてまた観たくなったり、手にとって読み味わいたくなりましたね。本の紹介案内では、前述した『心と響き合う読書案内』に取り上げられていた本と重複するものが多かったです。
女性誌『Domani』の2006年10月号から2008年9月号にかけて連載されたものに、五つの書き下ろしのエッセイを加えた一冊。仕事を持つ若い女性たちに向けて発信されたメッセージがメインとは言え、私のような男性読者が読んでも十分満足できます。頑張っている仕事で孤独を感じている方や、壁にぶつかって悩んでいる方に、特におすすめしたいエッセイ集です。