人間に与えられたエネルギーは平等ではないと実感する書。
50代も後半の漫画家が突如「日本の漫画をインドに持ち込んで翻訳して売れば儲かるのでは」と思い立ち、語学もコネもなしに実行するというとんでもないストーリー。
しかもその漫画は40年も前に書かれ、なおかつ部落解放同盟から抗議を受け絶版になったという鬼作。なぜこんなマニアックな漫画を選んだのか?なぜ
ドラゴンボールとかワンピースとかにしなかったのか?
そういうわけで、様々な、かつ根本的な疑問をカオス的に抱え込みながらも弾丸のごとく邁進する一人のオッサンのノンフィクションである。彼の現実的エネルギーとは裏腹に、漫画内世界がのぼーっ、のぼーっと平坦で、そのギャップがむずがゆい。