この映画は17世紀にラファイエット夫人という人によって書かれた心理恋愛小説の映画化で、舞台は現代に移しています。
良家の子女が、望まれて貞淑な若妻となったのですが、その後別の人を好きになってしまい、だからと言ってプラトニックなのですが、それを知った夫は悩んで健康を害して・・・!恋人はこの妻を思うのですが、彼女は自分が夫を苦しめたことに落胆し、困っている人の役に立つべく、修道院の手伝いをしにアフリカに・・・
恋しているのに目線だけで、プラトニック、という状況や、恋の絶望の苦しさために体力が衰えて死にいたる・・・という話は、私は、すごくわかるので、気持ちがわかってドキドキしました!
結婚してからの恋が、本当の恋だ、というのが
フランス人ですが、人物たちのその誠実さから、まさに命がけの恋、の状況になっております。
それを、オリヴェイラ監督が、重厚かつ丁寧に描き、カトリーヌ・ドヌーブとマストロヤンニの愛娘キアラが、その良家の子女ぶりを漂わせて、屋敷、衣装、人々の物腰など、ほんとうに格調高くうつくしく描かれております。恋人はボールド・ヘッドのロック歌手ですが、その力強い、ラディカルな歌声が、17世紀風の古風な恋愛を決して古めかしいものに感じさせない命を削る恋のリ
アリティを
見る人に感じさせてくれていると思います。
エキセントリックな声 とライナーノーツにあったけど、
かなり緻密で繊細な声。セカンドランゲージで歌ってるはずの
英語の歌詞も
かなり掘り下げて歌っている。
秀逸なのはマリアジョアンのヴォーカルだけではなく、マリオのピアノの音色、アレンジ、掛け合い等。
お願いですからみなさん、当分「僕だけが知ってる」的なアーティストにしたいので、購入されても当分は一人でほくそえんでください。
なんか、いろんな人にも聴かせたいと思う気持ちと、秘密にしておきたいという気持ちと反駁しあって・・・・・